REVELATION DIRECTIVE[中山記念週:2020/0229-0301号]
■開催競馬場:中山/阪神/中京
■開催重賞:中山記念/阪急杯
■執筆担当:宇野篤
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<REVELATION RACE LIST>
■水仙賞
■すみれS
■中山記念/阪急杯
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翌週に控える弥生賞、チューリップ賞といえば、本格的なクラシックシーズンの到来を肌で感じる風物詩といえるレースですが、そうした楽しみなレースが続々と控える中、昨日JRAより発表されました「無観客競馬の実施」に関するプレスリリース。
新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、既に多くの企業、団体が何かしらの措置を執る中、他でもない農林水産省管轄の日本中央競馬会が、こうした動きに反旗を翻すわけもなく、異例ともいえる伝染速度の速さを踏まえれば、至極当然の措置だといえるでしょう。
皆様におかれましては、新型コロナウイルスの脅威は十二分に把握されている事と存じますが、俗にいうフェイクニュースに惑わされることないよう、情報の取り扱いにはくれぐれもご留意くださいませ。
さて、ここからは従来通り“今まで隠されていたことを明らかにするための指示書”すなわち
「REVELATION DIRECTIVE」本編の内容に移ります。
ご存じの通り、プライベートサロン統括本部長の松井が手掛けてきた領域ですから、彼の綴る文章そのものを心待ちにされていた方も多いと思いますし、実際、
JTTC監修BOOKS「お金の正体」の執筆者とお伝えしたところでピンとくる方の方が珍しいでしょう。
しかしながら、中山記念が控えるこのタイミングを起点に、松井と二人三脚で執筆することの恩恵は、回りまわって皆様にお返しできると考えていますので、少々心苦しくもありますが、お金の正体の人がどんなことを書くのか、まさにお手並み拝見といった尺度でご一読いただければと思います。
まずは、渦中の中山記念。
皆様がこの中山記念にいかほど期待感を示されているかは、十二分に理解しているつもりです。
中山記念と同じく「当会の中でも非常に特殊なレースである」と銘打った先週のヒヤシンスS以降、優勝馬◎カフェファラオの父にあたるアメリカンファラオ銘柄が急騰している事実は、何かしらの形で皆様の耳にも入っているはずです。
実直な感想としましては、国内より国外の競馬関係者に与えたインパクトの方が遥かに大きいわけで、であるからこそ、このご時世にも関わらず“頭は◎カフェファラオで間違いない”の見解に落ち着いたわけです。
この時点でアメリカンファラオすら知らないという方は、是非、世界に目を向けてください。
日本競馬は井の中の蛙なんて時代はとうの昔に過ぎ去っています。
ウインブライト、インディチャンプ、ラッキーライラック、ペルシアンナイト。
中山記念に出走する上記4頭は、すでに海外遠征の実績を積んでおり、かつこの先も世界の舞台で戦う資格を持つ4頭になります。
なかでも、ペルシアンナイトを除く3頭には漏れなく“ステイゴールド”の血が受け継がれております。
そうした経緯があった中で、ディープインパクトではなく、ステイゴールドの血を受け継ぐ3頭に、ディープインパクト産駒のダノンキングリーが居合わせる中山記念の構図。
1つだけ申し上げれば、なぜ香港に出走していた4頭もの陣営が中山記念を始動戦に選んだのか。
その答えを導き出す上で「香港を勝利したウインブライトをどう使うつもりなのか?」という点に1つ重要なカギが潜んでいると明言しておきます。
そもそも「サウジカップ」が行われる当週という事を踏まえれば、「ディープインパクト」と「ステイゴールド」をどの様にプロパガンダに利用しようとしているのかはご想像に難くないはず。
先週、ヒヤシンスSで「カフェファラオ」が勝利。
今週、「サウジカップ」に日本馬が出走。
そして、「日本」では中山記念にて特殊なレースが発動しているという背景。
恣意的な力が働いていなければ、こうは上手く事は運びません。
では、一方の阪急杯についてはどうでしょう。
レースの位置づけとしましては、ご承知のとおり翌月に迫る高松宮記念の前哨戦です。
JTTCの起源ともなる「育成調教技術」の見地から一言申し上げますと、興味の矛先はロードカナロア産駒の2頭、ステルヴィオでありダイアトニックの動向です。
前者は昨秋のスプリンターズS直前に目の疾患を患い止む無く休養を余儀なくされた経緯があります。
傍目からみても順調とは言い難いローテ―ションに映るでしょうし、そこに管理調教師でもある木村師から
「このレースで脚を使えないようなら、ノドの手術をすることも考えています」
といった懸念材料が示唆されました。
これは、見る人から見れば、お膳立てが整ったサインと受け取れるでしょうし、正直やりすぎです。
しかし、裏を返せば、それだけのパフォーマンスを予期できるレベルにあるということです。
後者のダイアトニックは京都金杯2着からの臨戦となります。
この中間は、シルクレーシングの所有馬ということもあり、スマートオーディン、フィアーノロマーノ、ロジクライとともにノーザンFしがらきにてリフレッシュ。
20日の坂路では、自己ベストとなる50.4をマークしており、順風満帆ともいえる調整過程を積んできたことは容易に想像いただけるでしょうが、それはV200の数値の裏付けあってこその話です。もちろん口外厳禁でお願いします。
では、なぜこの場でロードカナロア産駒に言及しているのか。
昨年の高松宮記念を経て、この先に控える高松宮記念の青写真を踏まえれば、差し詰めロードカナロア産駒に言及するほかないレースとしか答えようがありません。
2重賞の話はここまでです。
この先は、REVELATION RACE LISTで記した残り2レース「水仙賞」そして「すみれS」ともに3歳戦の展望に参りましょう。
まずは、中山芝2200mを舞台に行われる水仙賞について。
情報規制のレベルを指し示すプライベートランクの格付けとしましては、中山記念に次ぐ水準のレースとなります。
昨年はルーラーシップ産駒のロサグラウカ、ウラヌスチャームの社台勢2頭による決着。
今年はといえば、追分F生産のミッキーハッスル、ノーザンF生産のクロスセルが参戦。
ミッキーハッスルといえば、久保田厩舎にとって嬉しい400勝目の節目を飾った馬であり、母ミッキーハッスル、父ダノンバラードの馬名からもお察しいただけるとおり、野田みづきオーナー縁の血統馬となります。
対するクロスセルに関しては、ゆりかもめ賞勝ちの実績を有するレジェンドセラーの全妹にあたり、GIレーシング×ノーザンF天栄の育成ラインが敷かれた1頭。
実績豊富なエヴァーガーデン、サペラヴィ、トウカイデュエル等と相対峙するなかで、勝機を見出したとすれば、これまた至極当然の話ではありますが「調教」がトリガーとなって然るべきシチュエーションであることはご理解いただけると思います。
※社台勢2頭のキャリアはいずれも僅か2戦
調教=時計で判断するのは早計という見方は、
JTTC監修BOOKS「サラブレッドを知らずして競馬を語るべからず」の内容にあるとおり。
なかでも、飼料、トレーニング、蹄、この三大要素は、馬づくりの基本であり、どれか一つでも欠くことは許されません。
しかしながら、これらの情報が公の場に晒されることは限りなくゼロに近いのが現状であり、それはトレーニングとて例外ではありません。
また、例え公になったところで、ウォーキングマシンで30分歩かせた記録、騎乗者を乗せた状態で30分歩かせた記録、それぞれの負荷レベルすら判別できない知識量で、断片的な数字を拾い集めても、それは表面上の解釈にしか過ぎません。
物事の本質を見定める上で、重要なことは学び続ける姿勢です。
それが回りまわって皆様自身の武器になることを我々は熟知しています。
なぜ、水仙賞を使うのか、その効能を最も的確に掌握している人物が今年の水仙賞の「キーマン」です。
最後にプライベートギフトの対象レースでもあります「すみれS」について。
委細はレース当日是非とも見解欄にてご確認いただきたいと思いますが、歴史は繰り返すという言葉を記憶の片隅に留めておいていただけると幸いです。
繰り返す過程で蓄積される知見がベースにある。
だからこそ、再現性を評価し、また実戦の場で発揮することが可能となるわけです。
知を得るための最初のきっかけは、「なぜ」という疑問を抱くことかもしれません。
実際、ここまでの記述の中で「なぜ」という言葉を二度使用している箇所がございますが、結論を焦るのではなく、そこに至るプロセスをお考えいただくことに意義があります。
無論、プライベートサロンを介しては、そのプロセスも含めてご覧いただけますが、「REVELATION DIRECTIVE」の性質上、無償で公開可能な範囲の中でお届けしていることをご理解ください。
今週は以上となります。
最後までお読みいただいたメンバー様には、心より御礼申し上げます。
今後のJTTCの活動に、ぜひご期待ください。
JTTC-日本競走馬育成評議会
内部監査室長
宇野篤