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【結果総括】REVELATION REPORT「エルムS週レポート」

皆様、お世話になっております。 JTTC種牡馬部門の執行役員を務めております吉田晋哉です。 「SAPPORO」 その名が世界を轟かせるはずだった今年の夏。 IOC(国際オリンピック委員会)が「アスリートファーストの健康対策だ」と強調し、半ば強引に札幌へと推し進めていた東京五輪のマラソン開催地。 2019年11月1日、IOCと東京都、大会組織委員会、国による4者協議(トップ級会談)で札幌開催が正式に決まったのは周知の事実。 新型コロナウイルスの影響でグレーゾーンに押しやられたものの、IOCは依然として札幌開催を支持。マラソン女子は2021年8月7日、男子は8月8日に実施されることが決定事項となりました。 「日本の市場は、いま世界で一番のビジネスチャンスがある」 「8月23日が待ち遠しい」 先週の【REVELATION DIRECTIVE】ではこのように記しましたが、競馬という市場のみならず「SAPPORO」が世界から注目を浴びる対象に選ばれたことは誇らしいの一言。 セレクトセールはもちろんこと、夏の札幌は世界から見てビッグマネーが動く【最重要市場】のランクに位置しています。 さて、そんな札幌新馬戦ではルメール騎手騎乗馬が土日で2戦2勝。ドゥラメンテ産駒に勝たせる週だった2週前とは異なる景色がそこにはありました。 ・土曜札幌5R 1着テーオーメアリー(父モーリス、ヤナガワ牧場) ・日曜札幌5R 1着オーソクレース(父エピファネイア、ノーザンファーム) ドゥラメンテ産駒の次はモーリスを・・・社台ノーザングループがディープインパクト・キングカメハメハの後継種牡馬と位置付ける新種牡馬2頭。特にスタートダッシュで躓いた感があるモーリス産駒はマイナスイメージの挽回が急務。【勝ち星調整】がメインテーマとして組まれたことは注目すべき点です。 新潟に目を転じてみましょう。 ・土曜新潟5R 1着ストゥーティ(父モーリス、ノーザンファーム) ・日曜新潟6R 1着インフィナイト(父モーリス、ノーザンファーム) モーリス産駒は先週3勝の荒稼ぎ。 自身がある意味【突然変異】だったゆえ馬産地の評価も二分しているモーリス産駒ですが、社台ノーザングループが総力を挙げて良血馬をあてがった「事実」を忘れてはなりません。 ドゥラメンテ産駒のように軽い芝でスパッと切れる印象は現状見られず、我々が懇意にするパートナーも、 「モーリスの仔は3歳春が勝負だね。冬を越えてグンと良くなっていくイメージはあるよ」 と、その昔ハーツクライの仔がデビューした時のような感想を抱いていました。私も同様のイメージを抱いていますが、皆様から見たモーリス産駒の印象も機会がありましたら是非お聞かせいただきたいものです。 それでは、先週のレース統括に参りましょう。 3歳上オープン、札幌ダート1700mを舞台に行われた「エルムS」。 戦前、我々が【REVELATION DIRECTIVE】で示していた見解は下記のとおりでした。 -----エルムS見解を引用----- 「複数頭出し」の話をこれまで何度もしてまいりましたので、サンデーレーシングとゴドルフィンの4頭が気になっている方もいらっしゃることでしょう。 「同一馬主」という視点でいえば、 サンデーレーシング2頭 ・ウェスタールンド ・タイムフライヤー ゴドルフィン2頭 ・ワイルドカード ・バスカヴィル 偶然か必然か。 世の中、不思議なことが起きるものです・・。 すみません。正直なことを申し上げると、不思議なこととは思っておりません。 ---------------- 【5枠】 7番 ワイルドカード(ゴドルフィン) 8番 ウェスタールンド(サンデーレーシング) ---------------- 【8枠】 13番 タイムフライヤー(サンデーレーシング) 14番 バスカヴィル(ゴドルフィン) ---------------- 2頭出しを行うサンデーレーシングとゴドルフィンの所有馬が、同じ枠に1頭ずつペアで組まれています。 有馬記念のように枠順を公開抽選会で行っているわけではなく、枠順の決定経緯はブラックボックス。 とはいえ、枠順よりも注目すべきこと。 レースを作るのは、基本的に逃げ馬や先行馬であることは事実です。 ラップをコントロールできるのは前で主導権を握る馬であるのは当たり前。 ただし今回に関しては、逃げ・先行脚質の馬を気にし過ぎると、レースの主導権、レースがどう作られていくのかの本質を見失うことになります。 先に申し上げておきます。 今年のエルムSにおいて、レースの主導権を握る存在は、 「タイムフライヤー」 「ウェスタールンド」 サンデーレーシングの勝負服2頭です。 主導権を握るのは、逃げ馬ではないということ。 そして、もう1つだけ突っ込んだ話をしましょう。 武豊騎手が騎乗するエアスピネルは、本命ではありません。 1年以上の休み明けで復帰した前走のプロキオンSで2着と予定外の激走をしてしまったことで、生じた誤算。 「プロキオンS」叩き→「エルムS」状態面上昇 このように計画していたはずが、 「プロキオンS」想定外の激走→「エルムS」脚元不安 となってしまったのです。 鮫島克駿騎手から武豊騎手への乗り替わりが、「鞍上強化」ということで今回は人気も集まることが想定されますが、脚元の不安で先週の1週前追い切りはまともに行えずに日曜追いに変更。 出走回避の可能性も考えられていたわけですが、最終追い切りに武豊騎手が跨って感触を確かめて、結局はそのまま出走する方向となりました。 一応走れる状態にあるということになるものの、パドックでの歩き方には、注意してご覧ください。 今週お伝えできることは以上となりますが、それぞれに役割を託されている「サンデーレーシングの勝負服」を身に纏った馬が、レースの鍵を握っていく場面を多く目の当たりにするでしょうから、注意深く観察してみてください。 -----以上エルムSの見解を引用----- 主導権を握るのは「サンデーレーシングの勝負服」。 さて、これ以上ないキーワードを紛れもなく先週金曜日の時点で明示していたわけですから、無料メンバー様の中には驚かれた方もいらっしゃったのではないしょうか? もちろん、プライベートメンバー様の皆様であれば、驚くも何もサンデーレーシングの勝負週であることを各提供レースを通じてあからさまに明言していたわけですから、エアスピネルの凡走も含め、「すべて想定内」の結果としてご覧いただいた一戦だったと思います。 冒頭に申し上げましたモーリス産駒の【勝ち星調整】。 その急先鋒を担ったのは日曜新潟6Rに送り込まれたサンデーレーシング所属の2頭でした。 ・インフィナイト(1着、モーリス産駒・サンデーレーシング) ・ベルヴォーグ(2着、モーリス産駒・サンデーレーシング) 勝つのはどちらでも良かった、というのが彼らの本音。重要なのは【勝ち星調整】ミッションの実行にあります。そしてそのミッションの仕上げはサンデーレーシング2頭が名を連ねた「SAPPORO」で行われるダート重賞・エルムSにも言えること。 クイーンSを思い出してみてください。 このレースに「サンデーレーシング所属馬」の出走馬は何頭出走していたか覚えておいででしょうか? 1頭ですか、それとも2頭でしたでしょうか? ・ ・ ・ ・ ・ 答えは「ゼロ」です。 クロノジェネシス、グランアレグリア、ラッキーライラックと春競馬の主役は別として、牝馬の活躍馬を多数輩出するクラブ馬が牝馬限定重賞に顔すら出さない。 あり得ないことがあり得てしまった、それが今年のクイーンS。 取得賞金面で出走可能な馬は2頭ほどいました。しかし、その牝馬2頭もまたサンデーレーシングの綿密な計画の一端を担っていた・・・詳細まではお伝えできませんが、土曜札幌11R・札幌日経OPをサンデーレーシング所属馬・ルメール騎手騎乗のポンデザールが制した事実だけはお忘れなきようご注意ください。 以上を踏まえ、今回、我々が提供した買い目は以下の通り。 =============== [日]札幌11R エルムS プライベートランク:☆☆☆☆☆ <評価順> ◎13 タイムフライヤー ○8 ウェスタールンド ▲10 アナザートゥルース ☆12 ハイランドピーク △5 アディラート △11 アルクトス <結果> 1着◎13 タイムフライヤー 2着○8 ウェスタールンド 3着▲10 アナザートゥルース 3連単F:9480円的中[12点] =============== 3連複Fではなく、3連単Fによる提供で9480円的中。 1点の投資額が3000円であれば、すなわち28万4400円の払戻金に。その倍額の6000円投資であれば56万8800円のリターンをものの数分で創出したことになります。 いやいや、1点3000円も投資するなんてとてもじゃないけど無理です。100円、200円の世界で楽しませてもらっています。 そういったお声もあって然るべきでしょう。 しかし我々はお遊びで競馬情報を提供しているわけではございません。 前記したとおり、1点3000円で投資いただくだけの価値であり情報に重きを置いています。 ごくまれに、とてもいい大人が口にするような言葉とは思えないメッセージを不的中のレース後等に送り付けてこられる方がいるようですが、一般常識の範疇であるマナーも身に着けておられないような方は当会のサービスをご利用いただく資格はありません。 カスタマー責任者にかわり苦言を呈した次第ですが、再度エルムSについて言及しますと、レースは想定通りリアンヴェリテがマイペースの逃げに持ち込み、岡田一族のノルマンディーサラブレッドクラブが送り込んだアナザートゥルースが番手を確保。ゴドルフィンのバスカヴィルが掛かり気味に前を突く形で流れます。 先に動いたのはタイムフライヤー。 3-4コーナーを起点に手応え良く進出し、先団を窺い、それに呼応するようにウェスタールンドも一気にマクる形に。 一般競馬ファンの間ではライバルと目されたであろうエアスピネルは前を行くアナザートゥルース、外に位置するバスカヴィルにがっちりガードされる展開。 直線走路においてはご覧いただいた通り、サンデーレーシングの2頭による独演会。 今回この結果を導くにあたり、各関係者、とりわけ非社台ながら吉田一族とは旧知の仲にあるノルマンディーサラブレッドクラブが果たした役割は小さくないでしょう。 そして、クラブ法人設立のプランも浮上するゴドルフィンもまた【貸し借り】の関係性を構築しておいて損のない相手。世界に通じる人脈を持つゴドルフィンというキラーワードは極めて甘美なもの。社台ノーザングループが放っておくわけがありません。 ◎→〇→▲の3連単F【9480円】的中をどう捉えるかは人それぞれ。ただ、我々は札幌馬主協会に属する重鎮関係者とのラインがあり、「いつ、どこで、誰が」ミッションを遂行するかを事前に知り得る立場にあったということです。 今回の結果を決して「出来過ぎ」と思わないでください。 ■新潟9R ダリア賞 ただし、土曜新潟9R・ダリア賞で本命推奨馬としたサンデーレーシング所属馬・アスコルターレがよもやの敗戦を喫したように、不本意ながら的中をお届けできなかったレースがあることもまた十分にご理解いただければ幸いです。 ============== [土]新潟9R ダリア賞 プライベートランク:☆☆☆☆☆ <評価順> ◎4 アスコルターレ ○8 ジャカランダレーン ▲1 ブルーバード ☆9 プルスウルトラ △10 ユイノチャッキー <結果> 1着▲1 ブルーバード 2着無6 ショウナンラスボス 3着○8 ジャカランダレーン 3連単F:6万900円不的中 ============== 昨年朝日杯FS2着の実績を持つタイセイビジョンと同様に、暮れの2歳GIを射程圏内とすべくノーザンF×西村師のラインで擁立するに至った◎アスコルターレ(サンデーレーシング)を本命抜擢のうえ臨んだ一戦。 レースを主導したのは2頭出しを敢行した美浦・手塚厩舎の管理馬にあたるキモンブラウン。厩舎の看板馬フィエールマンを預託するサンデーレーシングサイドの依頼により、当初予定していたプルスウルトラに加え、緒戦はダートで勝ち上がったキモンブラウンを従えての参戦となりました。 重馬場とタフな馬場コンディションにありながら12.3→11.0→11.1と前半の3Fを34秒4で通過・・・想定からコンマ4秒上回るラップを刻みましたが、肝心のアスコルターレは選択した進路が痛恨。 明らかにラチ沿い、内目有利のトラックバイアスにあったなか、後方の位置取りに慌てた鞍上が大外ひとまくりの仕掛けに急遽方針転換。メンバー中2位の末脚で上位に迫るも5着に敗れ、ポジショニングもさることながら進路取りの差が明暗を分ける結果に。 先々を見据えれば控える競馬を経験したことはプラス材料になり得るわけですが、「見本市」となる朝日杯FS出走に向け「確かな結果」を求めていた一戦とあって、実戦の舞台でご満足いただけるシーンを演出できなかったことが今尚悔やまれるところであります。 当然のことながら、ここでの借りをエルムSですべて返したなどとは誰一人思っておりません。どうぞ今週末の開催にご期待ください。 さて、その今週末は小倉競馬場で「サマー2000シリーズ」第3戦・小倉記念が行われます。 褒賞金として馬主に3200万円、厩舎関係者に800万円が交付されるこのシリーズ。 個人馬主が無理遣いするケースも珍しくありませんが、今年函館記念、もしくは七夕賞から参戦する頭数は下記のとおり。 ・前走函館記念→1頭 ・前走七夕賞→2頭 出走登録馬のうち、サマー2000シリーズ対象レースをステップとした馬はわずか3頭。2010年から数えて「もっとも少ない頭数」です。 現段階で全貌までは明かせませんが、今年エントリーした「厩舎」を記します。 ・矢作調教師 ・斉藤崇調教師 ・杉山調教師 ・池江調教師 ・友道調教師 このラインナップをみて、日本ダービーはたまた宝塚記念の話をしているのかと勘違いされぬよう繰り返しますが、今週末に控える「小倉記念」の話となります。 春のGIシリーズでコントレイル、クロノジェネシス、デアリングタクトなど有力馬を送り込んだ調教師の面々が開幕週の小倉に揃って集結。 重賞が中休みとなる札幌開催から一転、真夏の九州でキーマンたちが一堂に会します。 ただならぬ重賞競走であることはご理解いただけたでしょうか。 複数頭出しの馬主はいるのか? これまで【貸し】を行った馬主・調教師はいるのか? 毎年このレースに参戦する馬主・調教師はいるのか? 束の間のお盆休み。そんな想像を膨らませつつ、週末を楽しみにお待ちいただければと存じます。 今週のレポートは以上でございます。 JTTC日本競走馬育成評議会 執行役員 種牡馬部門 吉田晋哉