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REVELATION DIRECTIVE[関屋記念週:2020/08/15-16号]

■開催競馬場:新潟/小倉/札幌 ■開催重賞:関屋記念/小倉記念 ■執筆担当:吉田晋哉 ------------------------------------- <REVELATION RACE LIST> ■土曜 札幌11R TVh賞 ■日曜 新潟11R 関屋記念 ------------------------------------- 平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。 JTTC種牡馬部門担当の吉田晋哉です。 厳しい暑さが続いておりますが、お変わりなくお過ごしでしょうか。 夏という季節柄、当会にも沢山のお中元を皆様よりお届けいただいており、競馬関係者の皆様、プライベートメンバーの皆様には、この場をお借りし、心より感謝を申し上げます。 「松井さんはいかがされていますか?北海道で元気に過ごしていますか?」 プライベートメンバー様からお寄せいただいたお中元の中には、このようなお言葉も同封されておりました。 ダービー週の「REVELATION DIRECTIVE」が皆様との直近の接点でしたので、あれから2ヵ月半が経ち、「松井ロス」のようになられている方も沢山いらっしゃるようですね。 もちろん姿を消したということはなく、この夏は北海道に拠点を構えて、競馬関係者と行動をともにしながら、広い北海道の地を縦横無尽に動き回っており、精力的に活動しております。 ---------------- 令和の恩赦プログラムは、平成や昭和とは全く違う動きがここからはじまる、という点において「規模」が違うと言っても過言ではありません。 今はまだコードネームしかお伝えすることが出来ませんが、 「レーティングコントロール」 「ヒエラルキーマネジメント」 この2つの概念がまさに夏競馬の肝となります。 ---------------- ダービー週の「REVELATION DIRECTIVE」には、このようなメッセージが残されていたことを皆様は覚えていらっしゃいますでしょうか。 ダービー週、そして安田記念週の「REVELATION DIRECTIVE」で、「レーティングコントロール」の話をしていたわけですが、昨日更新された「近況レポート」でご覧いただいた通り、夏競馬の肝である【レーティングコントロール】に通ずる札幌記念は次週に迫っております。 次週行われる「札幌記念」の舞台裏については、「近況レポート」で核心を突く内容が公開されておりますので、そちらをご覧ください。 さて、今週より小倉開催が開幕することで、久々の3場開催が再開します。 中央競馬では最南端に位置する小倉競馬場が、「一番暑いのでは?」というイメージを抱いている方も多いかもしれませんが、多くの騎手が、「夏競馬で一番暑くて過ごしにくいところは、中京競馬場」と口にしております。 夏は暑すぎて、冬は寒過ぎる。 四季がある日本において、中京開催は意外にも酷な環境で行われているわけですが、今年は変則的に中京開催が9月からとなるため、クラシックトライアル「ローズS」、「神戸新聞杯」の舞台は、いずれも中京競馬場です。 充電していた競走馬が、秋に向けて本格的に始動し始めているわけですが、期待の新馬も中京でのデビューに向けて着々と準備が進められています。 「大物」のデビューも予定しているだけに、「秋の中京での新馬戦」は楽しみにしていてください。 その新馬戦についてですが、小倉競馬が開幕する今週は各地で合計9レース行われるわけですが、極端な偏りに皆様もお気づきでしょう。 土曜日 新潟5R 芝1600m 18頭 新潟6R 芝1400m 18頭 小倉5R 芝1200m 13頭(九州産馬限定) 小倉6R 芝1200m 18頭 札幌5R 芝1500m 5頭 日曜日 新潟5R 芝1800m 18頭 小倉5R 芝1200m 15頭(九州産馬限定) 小倉6R 芝1200m 18頭 札幌5R 芝1800m 6頭 新潟と小倉の新馬戦は、ほぼフルゲートになっているのに対し、札幌の新馬戦は5頭立て、6頭立て。 事前の根回しによって、他の陣営が出走を自粛するために少頭数ということもありえますが、この新馬戦は、限りがある札幌競馬場の馬房数による影響を受けてのものです。 今年は函館競馬場で調教してからの直前輸送が取りやめになったことで、このような事態となっているのです。 新潟や小倉の新馬戦が出走ラッシュにもなっている一方で、札幌は2歳馬の入厩が少なく、新馬戦はスカスカ状態。土曜日の5Rにいたっては、出走馬5頭中2頭が武幸四郎厩舎の管理馬となっているほどです。 このような事態を回避するために、浦河にあるBTC(軽種馬育成調教センター)からの有効活用なども提言し、矢作先生も同様に賛同してくれておりましたが、改革への道のりは、険しいものです。 ただし、令和時代の日本競馬は、「育成部門」において、様々な革新が進んでいくことをお約束致します。 そのために、当会も今まで以上に、予算や人材の投資に踏み切り、拡大路線を辿っていきます。 日本競馬全体における「育成部門」のさらなる強化の象徴として、今年の秋、栗東近郊に「新たな外厩施設の誕生」が控えていることは、プライベートメンバーの皆様はご存知でしょうか。 関西近郊の外厩施設といえば、 ノーザンファームしがらき[滋賀県甲賀市信楽町] グリーンウッド・トレーニング[滋賀県甲賀市甲南町] 吉澤ステーブルWEST[滋賀県甲賀市信楽町] 宇治田原優駿ステーブル[京都府綴喜郡宇治田原町] 主に、このような施設が有名になっているわけですが、施設の規模でいえば、上記外厩施設を凌駕する関西最大規模の外厩施設『チャンピオンヒルズ』[滋賀県大津市]がこの秋に開場予定なのです。 今春のクラシックで脚光を浴びたコントレイルは、今夏はノースヒルズの外厩育成施設である大山ヒルズ(ノースヒルズ)[鳥取県西伯郡伯耆町]で過ごしており、社台グループだけでなく、どのグループも「育成施設」を充実させることに、投資を惜しみません。 とはいえ、社台グループやノースヒルズ、ビッグレットファームグループ以外のグループや牧場が単独で大規模な外厩施設を作りあげることは容易ではないのですが、その容易ではない『チャンピオンヒルズ』が誕生するのです。 これは、競馬界に一石を投じるだけの試み。 表向きには、北海道沙流郡日高町に本社を構えるチャンピオンズファームが建設する外厩施設となっておりますが、「チャンピオンズファームだけ」というわけではないことは想像に容易いでしょう。 巨額資本が投じられており、ここに大きな利権が絡んでいることを言及するまでもありません。 チャンピオンズファームは、兵庫県淡路市にも「チャンピオンズファーム淡路」を2015年に開場しておりますが、これは『チャンピオンヒルズ』開場に向けての布石。 「チャンピオンズファーム淡路」は、グリーンウッドで社台グループのトレーニングマネージャーを担っていた幣旗氏も関わっている施設。 ノーザンファームの牙城が崩れるということにはならないでしょうが、昭和→平成→令和という時代の流れとともに勢力図の変化がもたらされる要因の1つが、この『チャンピオンヒルズ』開場の裏側にあるのです。 「チャンピオンズファーム」 本社[北海道沙流郡日高町] 生産拠点[北海道日高郡新ひだか町静内] 沙流郡日高町に本社を構える組織としては、他に「ダーレージャパン」が存在するわけですが、複数のグループによる「切磋琢磨」の相乗効果や、協力体制が組まれていくことで、横の繋がりが多岐に渡っていくことになります。 これまではなかったような、いわゆる「貸し借り」の関係性が今まで以上に広がっていくことは明白です。 ダーレージャパン、すなわちゴドルフィングループが、日本市場に続々と有望な種牡馬を導入していることは既報の通りですが、【日高】【新ひだか町】で重宝される種牡馬が、どの馬なのか。 是非とも注目してみてください。 8月24日(月) セレクションセール 8月25日(火)~28日(金) サマーセール 9月22日(火)~24日(木) セプテンバーセール 10月19日(月)~20日(火) オータムセール すべて北海道市場(新ひだか町静内)を開場として、1歳馬のセールが上記日程で開催されます。 種牡馬の勢力図という観点でも変化が見て取れると思いますので、どこにニーズが集まっているのかを注視していただくと良いでしょう。 ニーズは勝手に生まれるものではなく、コントロールされながら、作られていくものです。 それでは、ここからは今週の競馬開催のお話をしましょう。 今回触れられるレースは、土曜日の「TVh賞」と日曜日の「関屋記念」です。 どちらも矢作芳人厩舎が管理馬2頭出しを行っているという共通点がありますが、それぞれ触れていきます。 まずは土曜日の札幌メイン「TVh賞」から。 TVh賞の出走馬は14頭。 いつもとは趣向を変えて、今回はあえて生産地域別に並べてみます。 ---------------- [新冠町]4頭 1枠1番 ソリストサンダー 2枠2番 トイガー 5枠8番 ライジングドラゴン 6枠9番 フローラルパーク [新ひだか町]4頭 5枠7番 カフジジュピター 6枠10番 シベリウス 7枠11番 グラスブルース 8枠14番 ダンツキャッスル [浦河町]2頭 3枠3番 タイキダイヤモンド 4枠6番 ゲンパチルシファー [安平町]1頭 3枠4番 メダリオンモチーフ [愛国(アイルランド)]1頭 4枠5番 ユニコーンライオン [日高町]1頭 7枠12番 フクノグリュック [平取町]1頭 8枠13番 ビービーガウディ ---------------- 例年は芝1800mで行われているレースですが、今年はダート1700m戦と条件が変わります。 矢作厩舎が送り出すのは、ユニコーンライオンとカフジジュピターの2頭で、いずれも芝を主戦場としてきた馬です。 なぜダートに使うのか。 矢作厩舎が、「芝と勘違い」して登録してしまったというようなミスではありません。 明確な意図をもって、ダート1700m戦に2頭を出走させるのです。 コントレイルでのダービー制覇後、6月、7月競馬と矢作厩舎界隈で沢山の貸し借りが行われていたことは、皆様にもリアルタイムでご覧いただきました。 「TVh賞」は、「貸し」か、それとも「借り」か。 そのあたりを想像してみてください。 続いて、日曜日に行われる新潟メインの「関屋記念」。 今年の「関屋記念」出走馬は18頭。 ---------------- [安平町]7頭 1枠1番 プリモシーン 3枠6番 アストラエンブレム 4枠8番 ミッキーブリランテ 5枠10番 ミラアイトーン 7枠14番 プロディガルサン 8枠16番 グルーヴィット 8枠17番 サトノアーサー [日高町]3頭 1枠2番 ブラックムーン 6枠11番 クリノガウディー 7枠13番 ドーヴァー [浦河町]3頭 2枠4番 メイショウグロッケ 3枠5番 メイケイダイハード 7枠15番 ペプチドバンブー [千歳市]2頭 5枠9番 ハーレムライン 8枠18番 トロワゼトワル [白老町]1頭 2枠3番 アンドラステ [米国(アメリカ)]1頭 4枠7番 ジャンダルム [新冠町]1頭 6枠12番 エントシャイデン ---------------- 出走馬18頭中7頭は[安平町]=ノーザンファームの生産馬という構成で、[千歳市]=社台ファーム、[白老町]=白老ファームを合わせれば、18頭中10頭が社台系生産馬で占められている一戦です。 矢作厩舎 ・ミッキーブリランテ(ノーザンファーム/野田みづき) ・エントシャイデン(ノースヒルズ) 池江厩舎 ・サトノアーサー(ノーザンファーム/サトミホースカンパニー) ・ジャンダルム(ノースヒルズ) 矢作厩舎からは中京記念に出走させていた2頭を関屋記念でも同時に送り込む一方で、池江厩舎は中京記念を経由させなかった2頭を、ここで同時に使います。 中京記念は、当会では矢作厩舎の◎エントシャイデンを本命に臨んでおりましたが、関屋記念に関しては、エントシャイデンが本命ではないことを明言致します。 貸しを作った後には、倍にして返すことが礼儀。 それが、【人間関係】における筋道の基本です。 人と人の繋がりが、レースの勝負どころでどのように活かされるのか。 たとえば、コントレイルのコンビでお馴染みの矢作厩舎と福永祐一騎手。 中京記念ではミッキーブリランテに乗っていたわけですが、関屋記念では福永祐一騎手はプリモシーンに騎乗します。 本人も公言していることではありますが、15年前の菊花賞の一件。 ディープインパクトが単勝オッズ1.0倍で三冠に臨んだレースは覚えておりますでしょうか。 「ディープインパクトは後ろに下げて、外を回して勝つから、途中で閉じ込めることすらできないし、対策方法はない」とお手上げだったこと認めている一方で、菊花賞は1周目で掛かったために内に入れる場面が訪れました。 しかしながら、「内に閉じ込めることも考えたが、さすがにあの舞台では閉じ込めることはできなかった」と公言しています。 これはあくまでも一例ですが、騎手も感情のある人間です。 中央競馬に八百長はありませんが、忖度や気配りはあって然るべきなのです。 関屋記念は、福永祐一騎手とプリモシーンが、道中、どの馬の近くに陣取るのか。 その動きに注目してみてください。 JTTC日本競走馬育成評議会 種牡馬部門 吉田晋哉