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REVELATION DIRECTIVE[金杯週:2021/0105号]

■開催競馬場:中山/中京 ■開催重賞:中山金杯/京都金杯 ■執筆担当:吉田晋哉 ------------------------------------- <REVELATION RACE LIST> ■火曜 中山10R ジュニアカップ ■火曜 中京11R 京都金杯 ------------------------------------- JTTC種牡馬部門担当の吉田晋哉です。 皆様、あけましておめでとうございます。 昨年中は格別のご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。 皆様のご期待にお応えできるよう、よりいっそう精励いたす決意です。 本年もよろしくお付き合いいただけますよう、お願い申し上げます。 「一年の計は金杯にあり」 ということで毎年恒例の金杯から2021年競馬が始まることになるわけですが、 中山金杯⇒中山 京都金杯⇒中京 京都競馬場の改修工事に伴い、西は京都ではなく中京競馬場が舞台。 最後の直線で内が開く京都競馬場らしい京都金杯の風景はなく、「中京」という違和感からのスタートです。 正月競馬恒例といえば、菊花賞と同じ京都芝3000mで行われる「万葉S」も名物ですが、こちらも史上初めて「中京芝3000m」というコースを新設しての開催。 過去10年で3頭の三冠馬を輩出しているシンザン記念は、週末10日の日曜日に行われるわけですが、「京都のマイル」ではなく、「中京のマイル」で行われます。 京都ではなく中京。 競走馬にとっては、得意不得意がハッキリしてしまう馬もいるわけで、能力はあっても舞台が合わなければ力を発揮できないケースは多々あるわけです。 感覚的な話をするつもりはありませんが、変則的な開催だからこそ、まずは開催場所が違うという違和感を補正することが、2021年の新春競馬を迎える上でのポイントです。 今回<REVELATION RACE LIST>として取り上げるのは、「中山10R ジュニアカップ」と「中京11R 京都金杯」のマイル戦2鞍。 まずは「ジュニアカップ」に触れますが、明け3歳馬によるリステッド競走、オープンクラスの一戦です。 「阪神JF」「朝日杯FS」「ホープフルS」という2歳GIを終えた直後に施行されることになるわけですが、 1月5日「ジュニアカップ」 1月10日「シンザン記念」 この2レースでは「使い分け」、もっと突っ込んだ表現を使えば「譲り合い」が水面下で行われているのです。 皆様にはもうお馴染みの「貸し借り」という言葉。 出走登録の段階で、裏でガッチリと握手していると言えばわかりやすいでしょうか。 「ここには出さないでくれ。その代わりこのレースは控える・・・」 この2戦に限ることなく、1月2月には芝1800m、芝2000mという距離で続々と3歳限定戦が繰り広げられていくことになります。 ・京成杯(2021年1月17日) ・若駒S(2021年1月23日) ・セントポーリア賞(2021年1月31日) ・きさらぎ賞(2021年2月7日) ・共同通信杯(2021年2月14日) 俗に世間で「使い分け」と言われるような舞台裏では、もっと強制力のある「貸し借り」と言い換えることができるような出走を巡る忖度が働いているのです。 犠牲になれば、今度回ってくるのは恩恵。 恩恵を受ければ、今度は犠牲を払う。 ものごとには「順番」というものがあるのです。 それでは、「ジュニアカップ」の出走馬に注目ください。 -------------------------------- 1枠1番 ビゾンテノブファロ 馬主:ニューマレコード 生産牧場:レースホース牧場 厩舎:小桧山悟(美浦) 2枠2番 トーセンウォーリア 馬主:島川隆哉 生産牧場:社台ファーム 厩舎:池上昌和(美浦) 3枠3番 トーホウボルツ 馬主:東豊物産 生産牧場:王蔵牧場 厩舎:田中清隆(美浦) 4枠4番 ヴィルヘルム 馬主:キャロットファーム 生産牧場:ノーザンファーム 厩舎:池江泰寿(栗東) 5枠5番 ヴェイルネビュラ 馬主:吉田勝己 生産牧場:ノーザンファーム 厩舎:大竹正博(美浦) 5枠6番 モリデンアロー 馬主:森田芳男 生産牧場:森田芳男 厩舎:小桧山悟(美浦) 6枠7番 ヒストリアノワール 馬主:シルクレーシング 生産牧場:ノーザンファーム 厩舎:栗田徹(美浦) 6枠8番 ジャンカズマ 馬主:合同会社雅苑興業 生産牧場:ノーザンファーム 厩舎:安田翔伍(栗東) 7枠9番 ピクトルテソーロ 馬主:了徳寺健二ホールディングス 生産牧場:船越牧場 厩舎:田中博康(美浦) 7枠10番 トーセンジャック 馬主:島川隆哉 生産牧場:エスティファーム 厩舎:小桧山悟(美浦) 8枠11番 サクセスエース 馬主:鈴木芳夫 生産牧場:見上牧場 厩舎:竹内正洋(美浦) 8枠12番 アスカロン 馬主:小松達昌 生産牧場:Heider Family Stables, LLC(米国) 厩舎:森秀行(栗東) -------------------------------- 多頭出しという観点でいえば、小桧山厩舎が厩舎3頭出し。 冠名トーセンの島川氏が所有馬2頭出し。 ノーザンファームが4頭、社台ファームが1頭で、社台系生産馬が5頭。 ノーザンファームの生産馬が複数いれば、たいていはC.ルメール騎手の姿があるはずですが、5日の競馬にはそもそも不在。 ・ヴィルヘルム 戸崎→松山→戸崎→【今回/松山】。 ・ヴェイルネビュラ 福永→ルメール→【今回/戸崎】。 ・ヒストリアノワール 横山武→ルメール→【今回/横山武】。 ・ジャンカズマ 川田→ルメール→ルメール→戸崎→ルメール→【今回/横山典】。 ノーザンファームの生産馬4頭の鞍上は、上記のような「乗り替わり」で配置されたわけですが、昨年リーディング2位と奮闘していた“川田将雅騎手”が中山で騎乗しているにも関わらず、その川田騎手には騎乗馬を回さなかったというあたりに、着目してみてください。 昨年の暮れは朝日杯FSでグレナディアガーズ、ホープフルSではダノンザキッドで2歳GI連勝中。 ジャンカズマの初戦で騎乗経験があるにも関わらず、ここで突然【横山典弘騎手】を起用する意図は、なぜか。 さらに着目すべきは、【戸崎圭太騎手】です。 2度指名を受けているヴィルヘルムではなく、今回はテン乗りとなるヴェイルネビュラで起用されているということ。 【横山典弘騎手】ジャンカズマ 【戸崎圭太騎手】ヴェイルネビュラ この2頭がどのように立ち回りながらレースを終えるのかは、最後まで目を離すことなく注目し続けてみてください。 最後に「京都金杯」について。 一言で端的に申し上げるならば、「矛盾だらけ」の一戦です。 「京都金杯」の出走馬をご覧ください。 -------------------------------- 1枠1番 ケイアイノーテック 馬主:ケイアイスタリオン 生産牧場:隆栄牧場 厩舎:平田修(栗東) 1枠2番 ケイデンスコール 馬主:サンデーレーシング 生産牧場:ノーザンファーム 厩舎:安田隆行(栗東) 2枠3番 ロードマイウェイ 馬主:ロードホースクラブ 生産牧場:ケイアイファーム 厩舎:杉山晴紀(栗東) 2枠4番 ピースワンパラディ 馬主:長谷川成利 生産牧場:高山牧場 厩舎:大竹正博(美浦) 3枠5番 メイケイダイハード 馬主:名古屋競馬 生産牧場:浦河小林牧場 厩舎:中竹和也(栗東) 3枠6番 レッドアネモス 馬主:東京ホースレーシング 生産牧場:社台ファーム 厩舎:友道康夫(栗東) 4枠7番 スマートオーディン 馬主:大川徹 生産牧場:スカイビーチステーブル 厩舎:池江泰寿(栗東) 4枠8番 レッドガラン 馬主:東京ホースレーシング 生産牧場:社台ファーム 厩舎:安田隆行(栗東) 5枠9番 ブラックムーン 馬主:ヒムロックレーシング 生産牧場:タバタファーム 厩舎:西浦勝一(栗東) 5枠10番 シュリ 馬主:前田幸貴 生産牧場:ノースヒルズ 厩舎:池江泰寿(栗東) 6枠11番 ボンセルヴィーソ 馬主:名古屋友豊 生産牧場:白井牧場 厩舎:池添学(栗東) 6枠12番 ラセット 馬主:桂土地 生産牧場:三好牧場 厩舎:庄野靖志(栗東) 7枠13番 エントシャイデン 馬主:前田幸治 生産牧場:ノースヒルズ 厩舎:矢作芳人(栗東) 7枠14番 タイセイビジョン 馬主:田中成奉 生産牧場:ノーザンファーム 厩舎:西村真幸(栗東) 8枠15番 サトノアーサー 馬主:サトミホースカンパニー 生産牧場:ノーザンファーム 厩舎:池江泰寿(栗東) 8枠16番 トリプルエース 馬主:ゴドルフィン 生産牧場:ゴドルフィン 厩舎:斉藤崇(栗東) -------------------------------- 上記が今年の京都金杯の出走馬となるわけですが、少し整理しましょう。 <池江泰寿厩舎 3頭出し> ・スマートオーディン ・シュリ ・サトノアーサー <安田隆行厩舎 2頭出し> ・ケイデンスコール ・レッドガラン ≪ノースヒルズ 2頭出し≫ ・シュリ ・エントシャイデン ≪東京ホースレーシング 2頭出し≫ ・レッドアネモス ・レッドガラン 同着にならない限り、「勝ち馬は1頭だけ」という競馬のレースにおいて、多頭出しがこれほどまでに散見されるのが、今年の京都金杯なのです。 『複数のチーム戦』が共存することにより、牽制し合う瞬間が複数回訪れることが想定できますが、このレースのポイントは多頭出しのチーム戦で臨むが故に、「動きたい時に動けなくなる」ということ。 その上で、レース全体に目を向けていただき、大外枠に入ったトリプルエース(ゴドルフィン)が動き出した時に、どの馬がまず反応し始めるのか。 仕掛けの連動性に着目ください。 それでは2021年最初の競馬開催「金杯デー」も「楽しむことファースト」でお過ごしいただきましょう。 JTTC日本競走馬育成評議会 種牡馬部門 吉田晋哉