REVERATION DIRECTIVE[中山記念週:2021/0227-28号]
掲載日:2021年2月26日
■開催競馬場:中山/阪神/小倉
■開催重賞:中山記念/阪急杯
■執筆担当:松井彰二
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<REVELATION RACE LIST>
■すみれS
■中山記念
■阪急杯
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春のGI戦線に向けたローテーションが続々と明るみになってきている2月末。
今週の開催で「引退」の花道を飾る陣営も少なくなく、来週からは新人騎手のデビューを含め、様々な「人」が入れ替わる重要な時期。
今週いっぱいで引退となる調教師は、
・石坂正
・田所秀孝
・西浦勝一
・西橋豊治
・星野忍
・松田国英
・湯窪幸雄
・角居勝彦
以上の8名。
ジェンティルドンナの石坂厩舎、ホッコータルマエの西浦厩舎、プリモディーネの西橋厩舎、キングカメハメハのマツクニ厩舎、そして、ウオッカの角居厩舎など、錚々たる顔ぶれが今週をもって調教師を引退する。
今週この8厩舎から出走する馬は以下の通り。
■石坂厩舎【1頭】
[土]阪神9R シャイニーゲール
■田所厩舎【7頭】
[土]阪神7Rニシノダンテ
[土]阪神7Rアタミ
[土]阪神11Rタイサイ
[土]小倉6Rトゥールドマジ
[日]阪神2Rスターオブドーレ
[日]阪神2Rセイウンノヒメ
[日]阪神7Rサウンドテーブル
■西浦厩舎【13頭】
[土]阪神1Rエスケイダンサー
[土]阪神3Rメイショウカークス
[土]小倉1Rアウラヴィータ
[土]小倉5Rグッナイベイビー
[土]小倉8Rエターナリー
[土]小倉12Rホッコーアカツキ
[日]阪神1Rワイルドヒロイン
[日]阪神11Rブラックムーン
[日]小倉1Rホッコーハナミチ
[日]小倉3Rゴーゴーレイワ
[日]小倉8Rノーウィック
[日]小倉10Rロードエルビス
[日]小倉12Rポールトゥウィン
■西橋厩舎【0頭】
■星野厩舎【3頭】
[土]中山4Rフレーゲル
[日]中山4Rヤマニンデンファレ
[日]中山8Rカイアワセ
■松田国厩舎【13頭】
[土]阪神2Rゲストプリンシパル
[土]阪神3Rケルンクリエイター
[土]阪神4Rガレス
[土]阪神7Rトライハード
[土]小倉7Rケルンキングダム
[土]小倉10Rタニノヨセミテ
[日]中山6Rサイモンメガライズ
[日]阪神7Rサイモンルモンド
[日]阪神9Rハギノリュクス
[日]阪神10Rモンテディオ
[日]小倉1Rサトノテンペスト
[日]小倉2Rラヴィーニア
[日]小倉8Rハギノエスペラント
■湯窪厩舎【6頭】
[土]阪神2Rクリノドラゴン
[土]阪神8Rメモリーコバルト
[土]阪神12Rローランダー
[土]小倉9Rシゲルピーマン
[土]小倉11Rエーティーメジャー
[日]阪神2Rティーティーゴー
■角居厩舎【1頭】
[日]阪神9Rワイドソロモン
10頭以上の出走馬を最終週に投入してきた「西浦厩舎」「松田厩舎」のように最終週に攻勢をかけてくる厩舎と、角居、石坂、両厩舎のように1頭のみという厩舎と両極端な出走頭数になっている事がお判りいただけるだろう。
最終週にはなむけの1勝を狙う厩舎と、既に転厩先との連携を取った上でローテーションを守っている厩舎と、おおよそ2分されているわけだ。
今週のREVERATION DIRECTIVEの冒頭に「引退調教師の管理出走馬」を記述したのには、意味がある。
どうぞ、ここで記載した馬名はしっかりと覚えておいて欲しい。
また、出走頭数が少ない石坂厩舎や角居厩舎も含め、管理馬達がどの厩舎にどの馬が転厩していったか?といった事情はしっかりチェックしておくことをお薦めする。
この調教師引退にまつわる「新たな所属先探し」には、必ず様々な「思惑」が動くわけだが、今年は超法規恩赦期間に突入しているという事もあって、いくつか面白い動きがみられた。
徐々にこのあたりの話も公開してゆこうと思うが、メンバーの皆様も是非チェックは進めておいていただきたいと思う。
さて、今週はここまで話した通り、ただの「52週分の1」という週ではなく、競馬界にとっての卒業シーズンとでも言うべき週。様々な忖度を絡めた「準備」が施されており、通常の週と同じような準備では万全とは言えない週である。
特に、引退調教師の管理馬が出走するレースでは「様々な忖度」が働く。
勝たせるという事だけでなく、出来る限り進路を邪魔しないなどということは勿論、競りかけたり、ぶつかったりそのような事はご法度と言うべき行為であり、某ベテラン騎手は「2月の最終週は本当に普段の倍以上疲れる」というほど。
そういった週だからこそ、その週独特の展開や結果が数多くみられるという事を「知っているか知らないか」だけでも、大きなアドバンテージになる。
その様な中で行われる恩赦競走指定の「すみれS」。
僅か8頭立ての中に様々な「裏」が潜んだレースであり、現在の日本競馬界のある意味では「縮図」ともいえるメンバー構成となっている。
ディープインパクト
キングカメハメハ
モーリス
キズナ
ジャスタウェイ
非社台グループ生産のディープ産駒「ディープモンスター」。
非社台グループ生産で吉田和美氏名義のモーリス産駒「エスコバル」。
その吉田和美名義のもう一頭「グロリアムンディ」はキングカメハメハ産駒。
この3頭のそれぞれの立ち位置を見て頂くだけでも、恩赦特別競走としての「粋」が詰まったメンバーであることが分かっていただけるのではないだろうか。
その中に、松田国厩舎のモンテディオを出走させた意図。
その意図を話せば、今回のレースの1着2着3着がどのような必然に導かれようとしているのか?という絵図が全て見得てしまうわけで、全てはこの場でお話しすることは出来ないが、一つだけ触れるとすれば「2走前のルペルカーリアが勝った一戦での2着馬」であることが重要な意味を持っているという事。
これ以上は、触れることは出来ないが、ここで「ルペルカーリア」という馬名出したことの意味は是非伝わって欲しいと願う。超法規恩赦に突入して来てから私が書き連ねて来た様々なキーワードをつなげる事で、その意味はご理解いただけると信じている。
戦前の今、
ディープモンスターvsグロリアムンディ
という図式がどのような意味を成しているのか?という事とも大きな関連がある話。
そのあたりは、全て買い目の見解にて詳細に記述させていただく。
本年のクラシック戦線にも大きくかかわる話だけに、一言一句読み漏らすことが無いように言及したい。
さて、話を重賞に移したい。
例年「GI馬の復帰戦」のような意味合いで使われてきた「中山記念」。
今年のメンバー構成を見て「明らかにここ数年とは違う」というイメージを持ったメンバー様が多いのではないだろうか。
GI直行のローテーションが主流になりつつある現代競馬に於いて、ステップレースに組まれている「GII」競走に、今後も大きな変化がみられることになる。これは何も、中山記念のみならず、今後控えている「阪神大賞典」や「日経賞」の春の天皇賞に向けた長距離路線。また、阪神牝馬SやマイラーズCなどの、マイル路線においても似たような状況が生まれてくる。
その上で、「何が似ているのか」が重要なキーワードとなる。
例えば京都記念とAJCCのGII2競走。
結果を見れば、共に
1着1人気
2着3人気
3着6人気
という決着だったわけだが、この人気順でっ決着した事の意味が理解できると、今後「GII」にて企まれている「あるキーワード」が浮上してくるのだが、今はまだ口にするべき時期ではない。
「名よりも実を取る時期」であることからも、多くは語るべきではないが、ただ一つ言える事として「ヒシイグアスの位置取り」は注意してレースをご覧いただきたいと思う。開幕馬場の中山で松山騎手がどのような命を受けて騎乗してくるか、是非ご注目頂きたいと思う。
そして阪急杯。
こちらはダノンファンタジー、レシステンシア、インディチャンプ、といったGI馬が参戦してきている。
高松宮記念に向けたステップレースとして阪急杯からのローテーションを組む陣営も居るが、全く別の思惑でこのレースを使ってくる陣営も居る。
このレース自体はある意味で「ダブルスタンダード」であり、2つの思惑が介在するレースと言え、その中心的な部分を握っているのが、ノーザンFであることは誰の目に見ても明らかだろう。
ダノンファンタジー
レシステンシア
インディチャンプ
当会がどの馬に重い印を打つのか、楽しみにして頂きたい。
今週は、ある意味では「非常に書ける範囲が少なかった週」であるといえる。
なぜ今週は「書ける範囲が少ないのか?」という疑問については、数週間後にはご理解いただけると思うが、それも含めて書けることが少ないということである。
だからこそ、なんとしてでも結果にはこだわりたいと考えている。
JTTC日本競走馬育成評議会
松井彰二