REVELATION REPORT
【結果総括】REVELATION REPORT「金鯱賞週レポート」
掲載日:2020年3月16日
今週末の三日間開催を経て、来週の「高松宮記念」「ドバイミーティング」に向けて寝食を問わず動き回るこの季節。
方や、馬産地では出産ラッシュに突入しており全てのホースマンが確実に寝不足に襲われている季節が正に今。
そのタイミングでの新型コロナウィルスの拡散、その影響を受けてボロボロになっている株式市場。
「1億溶けたよ…。こんな事なら、ディープが死ぬ前に種付けしておけばよかった」
こう話すのは、当会とは20年来の付き合いとなるメンバー様。
自家用の繁殖牝馬を5頭ほど持っている中堅どころの馬主様。
この時期毎年「種牡馬選びの最終決定」を行うわけですが、先週の会議の際におっしゃっていたのが、上記の言葉。
株の暴落の影響をもろに受けたとのことで、落ち込んでいらっしゃいましたが「Kさんの1億は僕の100万円くらいの価値じゃないですか?確かに痛いでしょうが、そんなに落ち込まないでくださいよ。良い配合考えてきましたから!」と言った途端「そうだな、松井に慰められてるようじゃ、俺もまだまだだな、でどうだ、今年はどの種で行く?」と、流石ホースマン魂の塊、直ぐに先に目を向けておりました。
私が、指定させて頂いた種牡馬は
・ジャスタウェイ
・ブリックスアンドモルタル
・キズナ
・モーリス
・オルフェーヴル
以上の5頭。
今年の種付けには敢えて、「ロードカナロア、ハーツクライ、ドゥラメンテ」の高額TOP3を薦めることは致しませんでした。
もちろん、高いからと言う理由ではなく、ブラッドガバナンス上非常に重要な「種牡馬」をオススメしたということが理由であり、今だからこそ、この5頭の種牡馬に着目すべきという、どちらかと言えば、攻めた配合を提案いたしました。
さて、なぜこんな話を冒頭に持ってきているかと言えば、競馬界を動かしているのは「人」ですから、今、競馬界だけの動きではなく、その背後に有る「経済、社会、競馬界の季節要因」がどのような状況にあるかを、「常に把握しておいていただくことが重要である」と申し上げたいからにほかなりません。
つまりは、常に「隠れた前提」を理解することの重要性をお伝えしております。
隠れた前提には「5つの要素」があると言われております。
1.事実に関する隠れた前提
2.価値判断に関する隠れた前提
3.言葉の定義に関する隠れた前提
4.基準に対する隠れた前提
5.視点に対する隠れた前提
この要素を知っておくのと知らないのとでは、「真実」にたどり着けるか否かの様々な局面において、大きな差が出てしまうことは間違い有りません。
敢えて、私がこの様な話をするのも、特に、真実追求コラム「REVELATION DIRECTIVE」を紐解く上で、私や、宇野室長が「どのような【前提】で物を申し上げているのか?」を、しっかりと把握していただきたいからなわけです。
来週から「春のGIシリーズ」に突入する上で、「REVELATION DIRECTIVE」の内容も「一段ギアが上がる事になる」のは間違いなく、その際に、上記した「隠れた前提」を如何に想像しながら読んで頂けるかは、今後の当会の活動への理解を深めて頂く上でも非常に重要なことでございますので、敢えて、この場を借りて進言させていただいているのです。
その上で、先週の結果を振り返れば、先週当会がご提供したレース全部で8本。
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的中馬券をお届けできたレースが「5本」
的中馬券をお届け出来なかったレースが「3本」
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その上で、真っ先に振り返らなければならないレースが、フィリーズレビューでございましょう。
そもそも、今回のフィリーズレビューで、
なぜ「ジャスタウェイ産駒のエーポスが1着固定の◎に指名されたのか?」
そこに隠れた前提があることにお気づきの方は少なかったかもしれません。
まず一つの事実として、「あのディープインパクトに国内唯一の黒星をつけた馬」として世界に認識されている「ハーツクライ」ですが、種付け頭数をかなり限定しているという事実。昨年来「ハーツは2020年に種付けできない恐れがあるほどに、体調が悪い」という事は、幾度となく口にしてまいりましたが、ある意味で「リスグラシュー」が年度代表馬を獲得したこと、「ディープインパクト、キングカメハメハの急逝」で、引退する時期を逃してしまったとも言えるわけです。
ハーツクライの代表産駒といえば
・ジャスタウェイ
・リスグラシュー
・スワーヴリチャード
となるわけですが、昨年の年度代表馬リスグラシューにはモーリスが種付けされました。
なぜモーリスなのか?
という点に置いては「世界戦略」がその背景にあるわけです。
ロードカナロアがそうであるように、モーリスは「香港」「豪州」では非常に有名。
ノーザンFが豪州への拠点づくりに勤しんでいる今、豪州GIコックスプレートを勝利し、あのアーモンドアイを押さえ「JAPANの年度代表馬」に駆け上がったリスグラシューに「モーリス」をつけるということは、豪州へシャトル種牡馬として活躍しているモーリスにとっての最高のプロパガンダとなるわけです。
その上で、ハーツクライの種付け活動が実際に「停止状態となる可能性」を見越すと、その後継として「ジャスタウェイ」に白羽の矢が立つのは必然なわけです。
その上で、先週宇野室長が執筆した一節を振り返らなければなりません。
『冒頭より「クラブ法人」と「種牡馬ビジネス」の二点に集約している事実から、今回のフィリーズレビューを迎える上で、決して意味のない話をしているわけではない』
こう記しておりました。
その上で、なぜこの程度しか触れることが出来なかったのか?
その答えは2月7日に公開した、REVELATION DIRECTIVE[きさらぎ賞週:2020/0208-09号]の中にございます。
その週の真実追求レースリストの中に「エルフィンS」が入っていたことは覚えている方も多いでしょう。
そこで、どのような事が書かれていたかを、思い出して頂ければ、さすがの「宇野室長でもこれ以上の表現は出来ない」ということがご理解頂けると思います。
前提として、
・海外馬券発売の枠組みが変わった
・レーティングが関わるブラッドガバナンスがエルフィンSに発動していること
この2つ話を通じて、以下のように記述しておりました、改めて全体を読み返していただくことをおすすめした上で、重要箇所を引用いたします。
-----以下引用-----
※REVELATION DIRECTIVE[きさらぎ賞週:2020/0208-09号]より
その背景の中心にいるのが「ライティア」でございます。
ノーザンFの生産馬で、シンハライトの妹であり、ディープインパクトの牝馬。
これだけで注目に値する超良血牝馬なわけですが、エルフィンSに出走してきた意図はただ一つ。
「モノサシ」「指標になる」
ためでございます。
何と比較する上での「モノサシ/指標」であるのかは、もちろん明言できません。
見解には詳しく書かせていただきますが、ここで申し上げられることは1つ。
この馬との「着差」は今後桜花賞路線を語る上で非常に重要になるという事。
ライティアが勝つか負けるかではなく「ライティアとの着差」に注目してください。
ライティアが勝つのであれば、2着馬、3着馬、それ以降の馬とのそれぞれの着差。
ライティアが負けるのであれば、先着を許した馬との着差だけでなく、負かした馬との着差にも着目してくださいという意味です。
これ以上は触れられませんが、ライティアと他馬との相対比較が重要なレースとなりますので、結果も含めてお楽しみください。
-----以上引用終了-----
フィリーズレビューに出走してきた「エルフィンS組」はただ1頭。
しかも、ジャスタウェイ産駒。
それが、エーポスでございます。
上記引用部分で記述していた
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今後桜花賞路線を語る上で非常に重要になるという事。
━━━━━━━━━━━━━━━
この箇所。
桜花賞路線を語る上で非常に重要。
と、こう記しております。
チューリップ賞ではエルフィンSの話を一切せず、アネモネSは提供対象外。
となると、ここで記した「桜花賞路線」は・・・
【フィリーズレビューしか残っていない】
という状況でございました。
その状況にあって「エルフィンS出走組」がただ一頭しかいないわけですから、宇野室長にしても触れたくても触れられなかったという状況でしょう。そこで触れてしまえば、「エーポスが◎です」と公明正大に発表しているのと同じですからね。
しかも、ロードカナロア産駒に関しての「集中的プロパガンダ」が現在進行系で進んでいる状況下ですから、触れ方次第では、
◎エーポス
◯ヤマカツマーメイド
という序列は誰にでも分かってしまう状況。
しかしながら、かなりの数のメンバー様から
「エルフィンSの時の話しを含めて、エーポスにはかなり重い印打ってくるでしょ!それも含めて、宇野さんは、メンバー様のお手並み拝見って言ってきてるんでしょ!」
といった、声も聞かれるほど。
流石に、宇野室長も「サロンのメンバー様の読解力はさすがだな」と唸るほど。
<フィリーズレビュー結果>
◎5エーポス
○7ヤマカツマーメイド
▲3フェアレストアイル
☆14アヌラーダプラ
△1カリオストロ
△6ナイントゥファイブ
△11ケープコッド
<結果>
1着◎5エーポス
2着○7ヤマカツマーメイド
馬単:7510円的中[6点]
桜花賞の様々な序列も見えてきた「フィリーズレビュー」の的中。
まことにおめでとうございました。
さて、フィリーズレビューでは気を使う書き方をしなければならなかった分、振り切って答えを書いてしまったと言っても過言ではないのが「ファルコンS」でございましたね。
流石に、私レベルではあそこまで振り切った事はかけません。
あそこまで
「キャロット」
「シルク」
を連呼していたわけですからね。
その上で、この評価順ですから、ほぼ答えを言ってしまったのと同義です。
◎10ラウダシオン【シルク】
〇9アブソルティスモ【キャロット】
▲7ゼンノジャスタ
☆6 シャインガーネット【恩赦馬】
△5トリプルエース
△13ビアンフェ
△2ヴェスターヴァルト【キャロット】
その上で、勝利した「シャインガーネット」はここまで何度も口にしてきた、当会最高峰の究極の特殊レースとしてご提供させて頂いていた「赤松賞」の大本命◎であり、勝ち馬ですから、もちろん軽く扱うわけはございません。
結果は御存知の通り、
1着☆6シャインガーネット(6人)【恩赦馬】
2着◎10ラウダシオン(1人)【シルク】
3着△2ヴェスターヴァルト(8人)【キャロット】
当会と縁の深い馬ばかりの上位決着による的中にもかかわらず、
【3連複9460円】
もの配当がついたことに、私自身も驚いているわけです。
知る立場という意味では、正に、宇野室長の独壇場とも言えた先週の「REVELATION DIRECTIVE」であり、ファルコンSでの記述。
その真骨頂とも言える記述が、
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土曜競馬のファルコンSについて言及していきますと、こちらは、レイデオロの半弟アブソルティスモ、ヴェスターヴァルトの2頭が出走を予定してます。
そうです、この2頭はいずれもキャロットファームの所有馬です。
そこにきて、馬主リーディング1位のシルクレーレーシングの所有馬ラウダシオンが居合わせる構図。
冒頭より、「馬主リーディング」および「種牡馬ビジネス」の話を差し上げた意味は、そういうことです。
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この表記。
◎◯と穴馬を堂々と書き込む記述。
恐れ入ります。
その上で、実のところで言えば最後に記した「シーザリオの話」に重大な意味があるわけですが、その話は私の口からでなく、宇野室長の自らが語ってくれることを待ちましょう。
その上で、最後に語らなければならないのは「金鯱賞」について。
正直、淡々とは語れないレベルの結果に、怒号が飛びかった競馬場でございました。
無観客競馬だけに、
「おいおい何やってんだ、その位置じゃいかんぞ!」
「内田、ペース落としすぎだ、あいつ何やってんだ!」
といった関係者の声が、バンバン聞こえてくるわけです。
もちろん、先々週の川田騎手の例もありますから、TVに拾われるような事は無いですが、それにしても、このレースに関しては目的の一つであるサートゥルナーリアの勝利こそ得られたものの、それ以外の結果に関しては、なにも得られなかったと申し上げるしかございません。
特に、宇野室長に関しては、
「これで世界と張り合うつもりなのか、あの騎手たちは」
と、怒り心頭。
滅多にその様な素振りを見せることのないスマートな人間ですが、「世界基準」に立ち向かっている今の日本競馬界。
その前提で行われた金鯱賞において、よもや「グローバルな価値観で見れば、全体的に基準の低いレース」と世界から見られてもおかしくないレース内容に、「世界基準との差を露呈してしまった事に憂慮して」の怒りなのだろうと思うわけです。
この金鯱賞、ご期待に添えなかったという意味で非常に残念な結果となりましたが、しかし一つ言えることは、この結果が次に必ず活かされるということ。ブラッドガバナンスにおける「統治」は、一つのレースで完結することはございません。つまり、ここでなし得なかった「一つの思惑」は、必ず、別の機会で「補完される」というわけです。
それが、我々が持つ情報の強み。
刹那的な時間軸で見れば「ただの不的中」も、中長期の流れの中では「成功の一部」でございます。
残念な不的中ではございますが、不的中時の心理処理のあり方は、当会の提言するホースマンシップの最重要部分。
優勝劣敗の世界だからこそ、敗戦を糧に、次の勝利を目指さなければなりません。
勝負の世界に生きる
とは、そういう事であると考えているわけです。
失敗は成功の母であり、一つの括りで見れば【成功の一部】であるということをお忘れなく。
レポートは以上となります。
今週末は牡馬クラシック路線の最終トライアルとなる
・若葉S
・スプリングS
が行われます。
特に、スプリングSに関しては、先週のフィリーズレビュー以上とも言える状態でご提供できると断言できる状況にございます。
ご注目頂きたいと存じます。
以上、金鯱賞週のレポートでございました。
JTTC-日本競走馬育成評議会
松井彰二
━━REVELATION RACE LIST RESULT━━
■[日]阪神11R
フィリーズレビュー
プライベートランク:☆☆☆☆☆
◎5エーポス
○7ヤマカツマーメイド
▲3フェアレストアイル
☆14アヌラーダプラ
△1カリオストロ
△6ナイントゥファイブ
△11ケープコッド
<結果>
1着◎5エーポス
2着○7ヤマカツマーメイド
馬単:7510円的中[6点]
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■[日]中京11R 金鯱賞(GII)
プライベートランク:☆☆☆
<評価順>
◎6サートゥルナーリア
◯2ラストドラフト
▲4ダイワキャグニー
☆10ロードマイウェイ
△7ギベオン
△3ニシノデイジー
△5サトノガーネット
<結果>
1着◎6サートゥルナーリア
2着無8サトノソルタス
3着▲4ダイワキャグニー
3連単F:1万4440円不的中[15点]
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■[土]中京11R ファルコンS(GIII)
プライベートランク:☆☆
<評価順>
◎10ラウダシオン
〇9アブソルティスモ
▲7ゼンノジャスタ
☆6 シャインガーネット
△5トリプルエース
△13ビアンフェ
△2ヴェスターヴァルト
<結果>
1着☆6 シャインガーネット
2着◎10ラウダシオン
3着△2ヴェスターヴァルト
3連複:9460円的中[15点]
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