REVELATION REPORT
【結果総括】REVELATION REPORT「日本ダービー週レポート」
掲載日:2020年6月1日
世界競馬がパラダイムシフト下にあることをいやがおうにも実感して頂けたでありましょう、オークスそして日本ダービー。
共に非社台グループ生産馬であるデアリングタクト号、コントレイル号が無敗のまま二冠馬に上り詰めた様は、まさに、歴史の転換点であり、その貴重な場面に立ち会えた事の価値を存分にご理解いただきたいと思っております。
それは、ただただ無敗の2冠馬が牡馬牝馬共に誕生したという「結果論的な視点」から見るのではなく、どのような背景があり、どのような現場での弛まぬ努力が有って、今に至っているのか。
そこを十二分にご理解いただきたいわけでございます。
例えば、ダービーの見解。
-----ダービー見解を引用-----
<第87回 東京優駿を取り巻く背景>
第85回・日本ダービーをワグネリアンが制した2018年。
競馬発祥の地、英国で行われた英国ダービーで1番人気に推されたのがディープインパクトの子、サクソンウォリアーであった。
サクソンウォリアーは、アイルランドに拠点を置く世界的競馬グループであるクールモアスタッドの所有馬。GI馬でもある母メイビーを日本に送り込み、ディープインパクトと配合して産まれた牡馬で、その後、アイルランドに帰国。
管理調教師は、世界規模で競馬事業を展開するクールモア(本拠地:愛国)の総責任者としても知られるエイダン・オブライエン師。そして、同年の英国ダービーで騎乗するのは日本でもおなじみのライアン・ムーア騎手。
結果は2000ギニーで1番人気だったマサーが勝利し、サクソンウォリアーは4着に敗れたが、ダービーの起源となる英国ダービーでディープインパクト産駒が1番人気の支持を集めたことは、今年の日本ダービーを迎えるうえでも大きなターニングポイントといえる出来事であった。
屈腱炎により2019年からクールモアにて種牡馬入りを果たしたサクソンウォリアーに対して、管理したエイダン・オブライエン師はこのような談話を残している。
「彼は驚くべき馬でした。今年を迎えたとき、私は彼が3冠馬(英2000ギニー、英ダービー、英セントレジャー)になるチャンスのある馬だと思っていました」と3冠制覇を意識していた存在であることを明かした。
ブラッドビジネスの観点から、常に新しい血を取り入れる姿勢の重要性については、これまでも何度となく公言する機会があったわけだが、近年のクールモア所有の活躍馬の大半は、ガリレオ産駒や、デインヒル系種牡馬の産駒、そしてこの2系統のかけ合わせによるものが多く、その結果、配合としては大当たりではあったものの、所有馬の大半が同じような血統になってしまうという、血の偏り、行き詰まりが起きていたのだ。
つまり、"外の血"を取り入れる必要があり、その中でも類いまれなる能力を持つディープインパクトに白羽の矢が立ったのである。
クールモアは昨年より、第二のサクソンウォリアーの生産を目指し、優秀な肌馬を10頭も日本へ送り込んでいる。ディープインパクトの血統に「未来」を託そうとしているのだ。
かつて、欧州から高額種牡馬を何頭も輸入しながら結果を出せず、「血統の墓場」と呼ばれた日本の生産界。それが今や血の供給元として、世界を席巻しようとしている。
<指定序列上位馬の見解>
GIに昇格して初めて行われる大阪杯を翌日に控えた2017年4月1日。
北海道新冠町のノースヒルズで、青鹿毛の牡馬が産声を上げた。後にコントレイルと名付けられる、無敗の皐月賞馬誕生の瞬間だった。
母ロードクロサイトは2012年に栗東・矢作厩舎でデビューしたものの、7戦0勝で引退。しかしロードクロサイトの母フォルクローレはBCジュベナイルフィリーズなど米GI2勝の活躍馬で、繁殖馬としての期待は大きかった。2015年生まれのバーンフライ(牡、父ゴールドアリュール)、翌年のアナスタシオ(牝、父ダイワメジャー)に続き、満を持して配合された、無敗の三冠馬ディープインパクトの仔にあたるコントレイル。
新冠の本場で過ごした期間は5カ月ほど、その後1歳の9月に育成先の大山ヒルズ(鳥取県伯耆町)に移動するまでの間、コントレイルの成長に一役買った地盤こそ、ノースヒルズが2017年に竣工したノースヒルズ清畠(門別町)である。
繁殖馬としての期待値を踏まえれば、初年度からディープインパクトが種付けされていてよそうなものだが、敢えて3番仔に宛がったのも、ノースヒルズ清畠の存在が大きく、この世代は、ノースヒルズ軍団の育成方法が大きく転換した改革元年でもあった。
太平洋を見渡し、良質の牧草が生える大地を広々と使えることがノースヒルズ清畠の特長だ。新冠本場の放牧地が1区画あたり5ヘクタールほどなのに対して、清畠は10ヘクタール以上。運動には十分な広さと草量があり、そこで一日約20時間もの間、自然の厳しさにさらされることになる。
約1年の育成期間を終えた“清畠1期生”。デビューへ向けてのトレーニングの地、大山ヒルズにて本格的な乗り込みを開始したのは同期から半年遅れとなる2歳春。
球節の不安から中期育成時期にあたる1歳後半から2歳前半までの約半年間は人を乗せることすらままならない状態であったため、乗り込み量としては明らかに同期の馬たちから大きく劣っていたものの、調教終了後の心拍数が100拍/分を切るまでに要した時間を示すTHR100が歴代のGI馬に匹敵する値をマークしていたことからも、心臓の強さは群を抜いており、それゆえ距離に対する不安が囁かれていた2歳時においても、陣営サイドは迷うことなくホープフルS→皐月賞→日本ダービーのローテーションで行くことを決断。
また、その決断を大きく後押した人物にライアン・ムーア騎手の名があげられる。
コントレイルにとって二戦目の舞台となった東スポ杯2歳Sでコントレイルの鞍上を託されたライアン・ムーア騎手はレース後、陣営サイドにこのような話を伝えている。
「2000メートルは勿論だけど2400メートルでも期待できる。今日はまだ遊んで走ってあの競馬、この馬は世界で通用するトップホースです。」
その後のパフォーマンスは見ての通り。
世界のホースマンが熱い視線を注ぐ今年の日本ダービー。
ディープインパクト後継種牡馬として欠かすことはできない「ダービー馬」の称号を手中に収めるときが来た。
==中略==
日本産馬として初めて英国クラシックレースを制したディープインパクト産駒サクソンウォリアーの初年度産駒誕生の一報が次々に寄せられている2020年。
日本で誕生したディープインパクトが世界の競馬サークルを動かす存在へとシフトしつつある今、産地国となる日本のダービーで求められる結果は一つ。
第87回・東京優駿を制するのは、コントレイルを置いて他にいない。
-----以上ダービーの見解を引用-----
数年前より意識されてきた「パラダイムシフト」へのイメージ。
第87回日本ダービーの背景に競馬発祥の地である英国との関連性が明確に浮き彫りになり、更には、コントレイルの誕生をわかっていたかのように準備されたノースヒルズ清畠の竣工。
「ローマは一日にして成らず」
「すべての道はローマに通ず」
この様な言葉さえ思い出させるかのような、壮大な基軸転換=パラダイムシフト。
その事は、皆様にこのダービーへの思いを綴った宇野の言葉にも数多く溢れていました。
週中にあるメンバー様に配信させて頂いた宇野のメールからも一部引用させていただきます。
-----以下引用-----
牝馬戦線を中心に大きなパラダイムシフトが起こっていると明言していたなか◎デアリングタクトが無事牝馬二冠を達成。
これも一重に、メンバーの皆様のご声援があってのことだと自負しております。この場をお借りして心より御礼申し上げます。
クラシック戦線を中心に、ノーザンファーム1強といわれる状況が長らく続いてきたことで、多くの競馬関係者、そして競馬ファンにとって今回のオークスはその延長線上から大きく逸脱した結末に映ったはずですが、JTTCに在籍するメンバー様であれば、戦前この一戦を『宿命』と表していた意図をご理解いただけたように思います。
ただし、誤解なきよう申し上げておきますと、我々は何もノーザンファームのすべてを批判しているわけでもなければ、特定の団体のみに肩入れしているわけでもありません。
“物言わぬサラブレッドのポテンシャルを
最大限に引き出す技術を追求する
全てはこの目的のため“
上記は、JTTC公式サイト内に公開している当会の「MISSION=使命」です。
命を使うという言葉からなる「使命」。
読んで字のごとく、とても重い言葉です。
また、それと同時に我々の原点ともいえるものですが、この「使命」を果たすことこそが当会の存在意義である以上、我々のエビデンスに基づき貴重な育成工程を歩んだデアリングタクトが優勝したことには、大きな意義があったと捉えています。
そのデアリングタクトが無事オークスで偉業を成し遂げ、また、今週の日本ダービーを控える今だからこそお伝えしておきたい話があります。
私には3つ下の弟がいます。名前は秀樹といいます。
彼もまた若くして競馬界の門を叩き、これまで競馬産業の健全化に尽力してきた一人です。
なぜ、ここで実弟の話を持ち出したかといえば、彼の最大の功績が2016年の日本ダービー馬マカヒキにあると考えているからです。
我々と直接利害関係のない競馬ファンにとっても、ここ数年の日本ダービーのなかで最も印象に残っている日本ダービーといえば、このマカヒキが制した2016年のダービーといった声が数多く聞かれます。
私もこれにまったく同じ思いを抱いており、裏を返せばその後の日本ダービーは特定の利害関係者によって歪められたレースであったと捉えています。
そうした懸念が分かりやすい形で明るみに出たのが昨年の日本ダービーです。
ブラッドビジネスの観点から、シーザリオ一族を重宝する動きについては、桜花賞のデアリングタクトの血統背景も交えてお伝えしてきたとおりですが、エピファネイア、リオンディーズの半弟にあたるサートゥルナーリアを擁立する動きには過剰ともいえる契約ごとが多岐にわたって結ばれていました。
騎手、外厩、ローテーション、進上金の分配ルールなどなど枚挙にいとまがない状況。
ところが、蓋をあければサートゥルナーリアではなく、同じ角居厩舎のロジャーバローズがなんと12人気の低評価を覆して最先着を果たしてしまったわけです。
長年日本ダービーを観てきた中で、歓声どころか静まり返った日本ダービーを目の当たりにしたのは、勿論初めての体験でした。
サートゥルナーリア、そしてD.レーン騎手は圧倒的な1人気の支持を裏切り4着まで。
事実上、契約を反故としたことで、その当事者の一人でもあった角居調教師の青ざめた表情、歯切れの悪いレース後のインタビュー内容に多くの競馬ファンが違和感を抱いたことでしょう。
また、角居調教師といえばこの前年、競馬業界に衝撃をもたらすある事件を起こしています。
酒気帯び運転容疑で滋賀県草津署に逮捕された、あの一件です。
世間的にも酒気帯び運転に対して非常に厳しい目が向けられていた時期であり、仮にも国内トップステーブルの地位を確立していた角居調教師が起こした事件とあって、2021年2月の厩舎解散を待つことなく、解散すべきという声が各所から噴出。
しかし、JRAから下された処分は「6か月」の調教停止処分のみでした。
あれだけの猛批判に晒されていたにも関わらず、栗東・中竹厩舎に一時転厩していたサートゥルナーリアはじめ「全76頭」が1頭の例外もなく、彼の調教停止期間満了をもって、角居厩舎に再転厩したわけですから、「非常に大きな力」が働いていたことは容易にご想像いただけると思います。
ただし、この角居調教師の一件というのは氷山の一角に過ぎず、若手調教師を囲った不可解な進上金の裏取引を求める契約など、真っ当な競争原理を脅かす事態が立て続け起こっていた時期とも重なります。
「上のクラスではとてもじゃないけど通用しないので、掲示板狙いの競馬に留めてほしい。」
こうした口約束であれば、まだ可愛いもの。
ただし、こういった口約束が時間の経過とともに書面上の契約に代わり、レース結果を歪める事態が常態化すれば、遅かれ早かれ競馬ファンが離れていくことは明白。
年間2兆5千億円もの売上を支えているのは、紛れもなく全国の競馬ファンであり馬券購入者です。
どれだけ優れた資質を持ち合わせている競走馬であっても、育てる側の環境が整っていなければ、ポテンシャルを最大限に引き出すことは不可能。
そういった観点から、今でこそ私も同じようなことを発言するようになりましたが、ただひたすら人をみて、競走馬の育成に関わってきた一人が弟の秀樹であり、マカヒキが友道厩舎に預託され、その後日本ダービー馬となり、さらにはワグネリアンが日本ダービーとなるきっかけを作ったことに一人のホースマンとして私は心からリスペクトしています。
であるからこそ、私とデアリングタクトの関係値を知る弟からの祝福の電話は素直に嬉しく思いましたし、新しい時代の到来を告げるオークス直後に行われる今週の日本ダービー。
皆様とともに必ず喜びを分かち合えると信じしています。
==中略==
広い視点に立ちかえれば、この日本という国も人口増加というパラダイムから人口減少・高齢化というパラダイムにシフトしています。
それだけ重要な局面にあるにも関わらず、いまなお量的緩和やゼロ金利、財政健全化といった政策をどう調整するかに終始した議論が散見されているのは気のせいでしょうか。
競馬産業においても、ここ数年は同様の状況にあったと思います。
馬券売上を最重要指標としながらも、競馬ファンの心情は二の次とする乗り替わりが当たり前となり、以前と比べ手に汗握るようなレースを目の当たりにする機会は激減したといえるのではないでしょうか。
私が10代の頃、父そして弟の秀樹と三人で初めて訪れた東京競馬場の景色を今でも鮮明に覚えています。
その日は、第51回・日本ダービーの当日であり、ラスト200mを示すハロン棒を通過したタイミングで大外から明らかに他馬とは一線を画す馬がゴール板めがけて猛進している姿に一瞬で心を奪われました。
大観衆の声援に応え1着でゴール板を駈け抜けた、その馬こそ後の三冠馬シンボリルドルフでした。
==中略==
我々には「勝算」があります。
メンバー様への感謝の気持ちを、日本ダービーでお示しできることを心から楽しみにしています。
-----引用終了-----
週中には、現在競馬界がおかれているパラダイムシフトの背景を明確に伝えながら「勝算あり」とお伝えし、更に、ダービーの見解では「日本で誕生したディープインパクトが世界の競馬サークルを動かす存在へとシフトしつつある今、産地国となる日本のダービーで求められる結果は一つ。第87回・東京優駿を制するのは、コントレイルを置いて他にいない。」とまで言い切れる、その根拠。
そういった数年の流れを把握しているからこそ、更に申し上げれば、コントレイルの勝利が如何に必然であったかを知る立場として、このような事を明言してきているわけです。
ただ単に「コントレイルが強い」という事実は多くの皆さまが知っていることではございますが、それだけではない背景を知るからこそ『もう一段上での「勝算」を語れる』わけです。
それは、デアリングタクトにも言える事。
-----オークスの見解から引用-----
日高町の長谷川牧場が生産したデアリングタクトは異例ともいえる2年続けてのセレクトセール上場の末に、現オーナーとなるノルマンディーサラブレッドレーシングが1200万円の値で落札。
当歳セッションの2017年は主取りとなったものの、その後の成長過程を事細かに分析していたJTTC育成班はデアリングタクトの非凡な能力をいち早く察知。
==中略==
2015年ミッキークイーンが制したオークス以降、ノーザンファームの運動会とも揶揄されるクラシック戦線にあって、対抗馬を送るべく、虎視眈々と逆転の機会を狙っていたのが他でもない岡田一族だ。
無論、牧雄氏も当事者の一人であり、であるからこそ、サラブレッドにとっては負担の大きい「昼夜放牧」という大胆な施策に打って出た。
厳寒期は例外として、夜間は馬を馬房にしまわないのが昼夜放牧のスタンダードな考え方となる。昼間の放牧では走るよりも草を食むか休んでいるかが多い馬たちだが、夜間は肉食動物に襲われるかもしれないという本能が勝り、ひたすら歩き回ることを共同研究の末突き止めたのである。その距離は一晩で70kmにも及ぶ。
最大で22時間放牧も可能との研究結果がでたことで、それにならい朝6時に収牧して2時間後の8時には再び放牧のサイクル。馬房に戻った2時間の間に、馬たちは栄養価の高い飼料をむさぼるように食べ、横になって熟睡する。体力増強疑いなしのスーパーメニューを施してきたのだ。
そうした過酷な環境下に身を置いていたデアリングタクトだからこそ、上がり3ハロン38秒1を要した桜花賞においても、それを攻略できるだけの資質が養われていたといっても過言ではない。
事実、初期育成段階から中期育成段階において、えりも分場での育成で疲労が出た馬は日高に移動する方針をとっていたものの、デアリングタクトはその期間に一度も日高に戻ることはなかった。
英才教育を施すノーザンファームの育成方針に対して、あえて厳しい環境下に置き高負荷をかけ続けてきた岡田一族の育成方針。
日本を代表する東京競馬場の芝2400mという舞台で、多くの競馬ファンが待ち望んでいた「真っ当な競争原理が働くGIレース」を目の当たりにすることとなる。
長らく続いた一極集中型の構図に終止符を打ち、本来あるべき共存共栄の姿へ、本日◎デアリングタクトが3歳世代の頂点に立つことは、新たな時代の到来を意味する。
-----引用終了-----
もう一度、この言葉を書かせていただきます。
「ローマは一日にして成らず」
「すべての道はローマに通ず」
この比喩を今の競馬界の潮流に置き換えれば、
「パラダイムシフトは一日にしてならず」
という表現に置き換えることが出来るわけです。
この真実をご理解いただくこと。
この大転換が起きているその根底に「人の弛まぬ努力」が存在していること。
その「人」に寄り添い、改善の手助けを行い続けることが私共の使命。
第87回東京優駿:コントレイル号
第81回優駿牝馬:デアリングタクト号
この2頭が残した「無敗での2冠制覇」に象徴される競馬界のパラダイムシフト。
結果が出たから申し上げているのではなく、昨年の10月以降、折に触れてお伝えしてきた事が「明確な結果として残された」という、その事実をご提示できたことは、
『知る立場冥利に尽きる』
と言えるわけです。
その上で、「すべての道はローマに通ず」の比喩の解釈についても触れなければならないでしょう。
ダービーからダービーへ。
この言葉が指し示すサイクルは、ただの切り替えの話ではありません。
競馬ファンの視点で見れば、
「ダービーで一区切り。今週からは、気分を新たに次世代のホープ探しを行おう」
とおっしゃられる方も多いかと推察いたしますが、当会が申し上げたいのは、既に、2021クラシック戦線のホープ達、つまりは「2018年生まれの各馬の状況は把握済み」であるということ。
種付け時点から様々なコンサルテーションを行い、初期育成、中期育成の底上げに寄与しているのが私共「日本競走馬育成評議会」であるわけですから、既に2018年生まれの「7238頭」の動向を把握しているなんて言うことは、至極当然の事。
中には生を受けながらも既に廃用の道を歩まざるを得なくなってしまった馬や、現段階で様々な疾病と闘っている馬も数多く存在します。
一頭でも多くのサラブレッドをレースに出走させるべく、様々な経験と知見を駆使し、日々闘っております。
その視点で「ダービーからダービーへ」を語る際に絶対的に必要となるのが、
「ヒエラルキーマネジメント」
「レーティングコントロール」
という2つの概念でございましょう。
【全ての道はローマに通ず】
この言葉を馬事産業に置き換えれば
【全ての道は"血の価値"に通ず】
ということになります。
『パラダイムシフトは一日にして成らず』
『全ての道は血の価値に通ず』
競馬はクラシック戦線だけではありません。
パラダイムシフトの象徴として分かりやすい構図がクラシック戦線には浮上しますが、古馬の闘いに重要な概念こそが、
「ヒエラルキーマネジメント」
「レーティングコントロール」
であり、ダービーからダービーへ繋がる道は平坦直線的に繋がっているのではなく、それはまさに「螺旋階段」。
大きな渦が天に向けて伸びているかのように立体的な構造をイメージしていただければ分かりやすいかと存じます。
その螺旋の道が通ずる先が、『血の価値=BLOOD VALUE』へと通じているのです。
社台グループ、クールモアグループ、ダーレーグループ。
世界の種牡馬事情を手中に収める彼らの思惑は、多岐にわたります。
その象徴として先週行われた『目黒記念』を振り返れば、『螺旋の道』への「解釈」に誤差が生まれなくて済むわけです。
私は、先週の真実追求コラムREVELATION DIRECTIVEでこの部分だけを記述いたしました。
-----以下引用-----
ステイゴールド系
キングカメハメハ系
ディープインパクト系withハーツクライ
その他
の4分戦。
更に母父系を見れば
母父キングカメハメハ
母輸入馬
という、ダブルスタンダードな背景も見え隠れしているわけです。
-----引用終了-----
その上で、当会が下した序列が以下。
<目黒記念:評価順>
◎4 アイスバブル
○11 ステイフーリッシュ
▲5 キングオブコージ
☆8 アフリカンゴールド
△16 オセアグレイト
△2 ノーブルマーズ
△9 サトノクロニクル
△6 メートルダール
△12 ゴールドギア
△13 ウラヌスチャーム
買い目は3連複2頭軸での提供。
このレースに出走している「母父キングカメハメハ」は、
◎アイスバブル
○ステイフーリッシュ
の2頭のみ。
その2頭に、◎○を付与し、結果として勝利はキングオブコージ(母父Galileo)に譲ったものの、3連複1万9270円を手にしていただいたわけです。
■アイスバブル
父ディープインパクト
母父キングカメハメハ
ノーザンF生産
■ステイフーリッシュ
父ステイゴールド
母父キングカメハメハ
社台F生産
■キングオブコージ
父ロードカナロア
母父Galileo
社台コープレーション白老F生産
世界が注目した第87回日本ダービーのあとに行われる重賞として、「本年の目黒記念は例年とも異質なレースである」と申し上げておりました。
日本競馬界の独裁政権とも言える「社台グループ」。
クラシック戦線を「日高」に譲った背景で、世界が注目を集めているその「ダービーDAY」に、しっかりと、主要な血を「上位独占」というカタチで世界各国にアピールしてくるわけです。
これが「ヒエラルキーマネジメント」という概念の分かりやすい一例でございます。
幾重にも重なった『螺旋の道』のそれぞれの階層の中で、全ては『血の価値』に通ずるための様々なシフトチェンジが局所的にも行われているという事実。
その象徴が今回の目黒記念であったという解釈。
「ダービーDAYの意義」
そこを、十二分にご理解いただきたいわけです。
さて、昨年10月に一般競馬ファンの皆様に初めて門戸を開放した当会JTTC。
【育成評議会】として、まさに「庭」とも言える時期に差し掛かるわけです。
過去最高の夏を味わっていただくことは勿論の事、2018年生まれの「7238頭」それぞれの成長を、私共と同じ視線の高さで味わうことの楽しさをもご提示できれば幸い。
特に、
モーリス
ドゥラメンテ
リオンディーズ
といった、新種牡馬とディープインパクト、キングカメハメハなどの産駒に付いては、どのような経緯で新種牡馬が種付けされたかなどの順番を遡るだけでも、大きなヒントが隠されております。血統を知るということではなく、「血統を通じてその背後に居る人間の意図を読み解く」という癖をこの機会に付けていただきたいと思っております。
ダービーの予想をその週だけの楽しみにするのではなく、、、
配合検証から含めれば「丸4年楽しめるのがダービー」であるということを、是非とも再認識していただきたいのです。
それこそが、パラダイムシフトへの息吹を感じ取ることの出来る最良の手段でもあり、その意味では、既に、2021年だけでなく、2022年、2023年、2024年の各年のクラシック戦線に向けた精査は同時進行で始まっているのです。
同時多元的に道が存在し、各階層に分かれているが、それぞれの道は繋がっているという事。
それをご理解いただければ、『螺旋の道』のイメージもつかみやすく、それこそ、パラダイムシフトの真っ只中にある馬事産業の本質に近づいて頂けると存じます。
JTTC-日本競走馬育成評議会が「一般競馬ファンの皆様に門戸開放」を行ってから最初の東京優駿:日本ダービーにて、的中馬券を手にして頂けたことは、私共の「4年間の活動」を的中というカタチとしてお見せできた一つの実例であると考えているわけです。だからこそ、ただ的中馬券をお届けしたということではなく、その「道程」をしかとお伝えし、私共がどのような根拠を持って日々の馬券投資に臨んでいるかという「根底」であり「大前提」の部分を、ご理解いただきたいため、今回はその部分にフォーカスしたレポートとさせて頂きました。
その上で最後に一言。
『新章突入』
そう言っても過言ではない、今週末からの競馬。
引き続き、当会からの発表やその根拠の一つ一つに注視していただき、「知る立場」に座す事の大いなるアドバンテージを享受していただきたく思う次第でございます。
今週はここまで。
改めまして、第87回日本ダービーの的中、おめでとうございました。
JTTC-日本競走馬育成評議会
プライベートサロン統括本部長
松井彰二