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REVELATION REPORT

【結果総括】REVELATION REPORT「エプソムC週レポート」

皆様、お世話になっております。 JTTC種牡馬部門の執行役員を務めております吉田晋哉です。 引き続き、REVELATION REPORTの執筆担当として腕を振るいたいと思います。 最後までお付き合いくださいますようお願い申し上げます。 先週から開幕した函館開催。 例年多くの関係者が現地入りする夏の北海道で3鞍の新馬戦が行われましたが、そのうち2レースをカレンブラックヒル産駒が制したことは種牡馬部門の長として触れないわけには参りません。 カレンブラックヒルの父は現役時の活躍も記憶に新しいダイワメジャー。 この系統はパワー型が多く、気持ちも前向きなタイプが目立ちます。レシステンシアやメジャーエンブレム、7歳まで息の長い活躍を見せたナックビーナスもこの血筋といったように、活躍馬の多くは「牝馬×先行馬×短距離馬」の三点セットとでもいいましょうか、大多数の方が腑に落ちるであろう際立った特徴を抱えているといえます。 我々の間では「種牡馬2年目の産駒は要注意」との共通語があります。 成長曲線のピークがどこにあるのか、月日とともに馬のシルエットがどのような変貌を遂げるのか、父系、母系どちらの特徴をより顕著に受け継ぐのか。手探り状態で産駒の育成にあたる1年目はわからないことが多すぎるのです。 それが2年目にさしかかると、たくさんの【前例】をもとに育成プランを練ることができます。 先日顕彰馬に選出されたキタサンブラックの父・ブラックタイドも種牡馬2年目にダービー3着馬マイネルフロストを輩出し、古くはフジキセキ産駒も2年目に大ブレイク。 開幕週でのアピールに成功したカレンブラックヒル産駒、一躍マークすべき種牡馬に躍り出ました。 一方で、先週ディープインパクト産駒の2歳馬が1頭も出走しなかったことは見逃せません。 2019年夏に亡くなったキングカメハメハ同様、産駒にとって事実上のラストクロップ世代とも言えるのが今年のディープインパクト産駒の1歳世代。 セールにおけるニーズが高まることは言うまでもなく、高額落札が見込める馬が今年も上場を予定しています。 であるからこそ、ここでディープインパクト産駒の2歳馬をレースに送り込み、いわゆる広告塔としてより一層ディープインパクト産駒の価値向上につなげるべきでは。 そうした考えを持ち合わせるメンバー様も一部いらっしゃるかもしれませんが、そのあたりの事情も走らせる側の関係者は熟知しており、であるからこそ後述するマーメイドSではあからさまといえる布陣で臨んでいたわけです。 注目重賞の場では、先々週の鳴尾記念の当会本命馬◎ラヴズオンリーユーがそうであったように、ディープインパクト産駒を擁立する動きをみせています。 その一方で、2歳戦線に目を向けますと、ディープインパクト産駒でデビューを果たしたのはサトノフラッグの全妹にあたるサトノレイナス(美浦、国枝厩舎)1頭のみ。 カレンブラックヒル産駒をはじめ新種牡馬のファーストクロップを擁立する動きが週を重ねるごとに顕在化しているわけですが、今夏に控えるセリ市場に向けた生産界の強い意向が働いていることは容易にご想像いただけるはずです。 週末のRevelation Directive執筆時にも、「世代」や「路線」といった線引きを強調していることはご理解いただいていると思います。 先週でいえば、走らせる側の思惑が色濃く反映されていたのが、函館開催であり、東西重賞であったわけですが、Revelation Directiveの場で言及していたマーメイドSの結果から総括していきたいと思います。 まずは、先週のRevelation Directiveから一部抜粋した見解をご覧ください。 -----マーメイドS見解を引用----- 出走馬16頭中8頭が社台系生産馬という構成ですが、 斉藤崇史厩舎 ・リュヌルージュ ・サマーセント 矢作芳人厩舎 ・オスカールビー ・マルシュロレーヌ キャロットファーム ・フィリアプーラ ・センテュリオ ・マルシュロレーヌ このような多頭出しが構成されているのがマーメイドS。 エプソムCと比較すると、 エプソムCは、社台レースホースが3頭出しに対して、キャロットファームは1頭。 一方でマーメイドSは、キャロットファーム3頭に対して、社台レースホースは1頭。 そして、福永祐一騎手と川田将雅騎手のトップジョッキー2名だけが、エプソムCではなく、マーメイドSに回された意図。 もし仮に、マーメイドSに、福永騎手と川田騎手の両名が不在だった場合、どのようなレースになることを想像できますでしょうか。 福永祐一騎手騎乗 センテュリオ 牝5 父:ディープインパクト 母:アドマイヤキラメキ 母父:エンドスウィープ 馬主:キャロットファーム 生産:ノーザンファーム 厩舎:高野友和(栗東) 川田将雅騎手騎乗 エアジーン 牝4 父:ハービンジャー 母:ラスティングソング 母父:フジキセキ 馬主:ラッキーフィールド 生産:ノーザンファーム 厩舎:堀宣行(美浦) 明言するまでもなく、この両名は非常に重要な役割があるからこそ、エプソムCではなく、マーメイドSでノーザンファームの生産馬の騎乗が託されているのです。 なお、マーメイドSの出走馬16頭の種牡馬構成は、このようになっています。 ・ディープインパクト産駒 3頭 ・キングカメハメハ産駒  0頭 ・ハーツクライ産駒    2頭 ・ステイゴールド系    3頭 ・ハービンジャー産駒   4頭 ・その他         4頭 「エプソムCにあって、マーメイドSにないもの」 「マーメイドSにあって、エプソムCにないもの」 そのあたりを想像しながら、今週末の競馬開催をお楽しみください。 -----以上マーメイドSの見解を引用----- もっとも軽い馬で49キロという超軽量馬も出走した当レース。 減量に苦労しない若手騎手が騎乗できる「斤量」ということで、トップクラスのジョッキーの多くが東京に遠征します。 たとえば福永騎手。 2010-19年の期間ではマーメイドSへの参戦はわずか3回。 しかしながらエプソムCには6度参戦しており、その成績は【2-2-1-1】。まさにエプソムCの申し子と呼べる抜群の成績を残しているのです。 その福永騎手がなぜ今年はマーメイドSに参戦したのか? 福永騎手以外の「誰が」マーメイドSへの参戦を決めたのか? その答えはキャロットファーム3頭出しのディープインパクト産駒◎センテリュオに行き着きます。 春のGIシリーズで強烈な存在感を見せつけた福永騎手。 日本ダービーのコントレイルをはじめ、NHKマイルC3着のギルデッドミラーや先々週の鳴尾記念勝ち馬パフォーマプロミスで当会の的中馬券にも貢献してくださっているわけですから、関係者だけでなく、メンバー様のなかでも信頼に値する騎手のひとりとして福永騎手の名があがるのではないでしょうか。 また、ノーザンファームが選ぶこのレースの主役にふさわしい「格」を持った騎手のひとりでもあったわけです。 勝ち馬サマーセントの予想以上の粘りに勝利を逃したものの、キッチリ連対を確保。 そのサマーセントは4頭出走したハービンジャー産駒かつ、唯一2頭出しに該当する斎藤崇厩舎の管理馬だったことから印を回すのは造作もないこと。 メンバー様からも「吉田さんがディアドラの海外遠征に言及していた時点で、ハービンジャー産駒をマークしていました!」と、的中に結び付いた嬉しい報告を頂いております。 さて、このようにノーザンファームはマーメイドS重視の布陣を整えていました。 冒頭に記したディープインパクト産駒の事実上のラストクロップ世代となるセレクトセールへの伏線もそこにはあったわけですが、東の重賞「エプソムC」にはもうひとつの社台グループが己の役割を果たさんと動いていたのです。 「エプソムCにあって、マーメイドSにないもの」 「マーメイドSにあって、エプソムCにないもの」 その問いに対するひとつ目の答えは外国人騎手の存在です。 セレクトセール2020開催目前とあって、里見オーナー所有馬サトノアーサーに限らず先週は「D.レーン騎手」を中心に外国人騎手をあてがっていました。 そして、その本丸はエプソムCのサトノアーサーではなく直前に行われた東京10Rのサトノフウジンであったこと、こちらはプライベートギフトの対象レースでしたから、すべてのメンバー様が “7月にセレクトセールを控えるこの時期にわざわざサトノの2頭出しを敢行する以上、オーナーサイドの面子をつぶすわけにはいかない。” 上記一文で締め括られた見解にお目通しいただいたはずです。 その、サトノフウジンは先ほどから何度も登場しているディープインパクト産駒。 ◎サトノフウジン(牡3歳) 父:ディープインパクト 母:コンテスティッド 生産:社台ファーム 馬主:サトミホースカンパニー 2歳世代はサトノレイナスのみ出走しているディープインパクト産駒、なぜ唯一の出走馬が里見オーナーの持ち馬なのか?  セレクトセールで幾度となく高額馬を落札するお得意様への【メッセージ】と捉えていたければ合点がいくはずです。 話をエプソムCに戻しましょう。 先週金曜日に公開された【Revelation Directive】。その中にこのレースの道しるべは隠されていました。 -----エプソムC見解を引用----- まずは東京芝1800mのエプソムCから。 昨年の優勝馬レイデオロと、一昨年の優勝馬サトノアーサーが揃って出走する今年のエプソムCですが、エプソムCに見え隠れする矛盾にお気づきでしょうか。 出走馬18頭中10頭が社台グループの生産馬で、そこに非社台系生産馬とはいえ、ノーザンファーム提携のシルクレーシング所有のインビジブルレイズも参戦。 ただし、社台グループの独占というようなことをお伝えしたいわけではないのです。 もっと細かく見ていただくと、 ↓ ↓ ↓  藤沢和雄厩舎 ・ゴーフォザサミット ・レイエンダ 池江泰寿厩舎 ・ソーグリッタリング ・サトノアーサー 吉村圭司厩舎 ・アイスストーム ・インビジブルレイズ 近2年のエプソムC優勝馬を管理する藤沢厩舎と池江厩舎が2頭出し。 さらには前走のメイSを勝ったゴドルフィンのアイスストームを管理する吉村圭司厩舎も2頭出し。 そして少し視点を変えると、 社台レースホース ・ソーグリッタリング ・ギベオン ・アンドラステ シルクレーシング ・サラキア ・インビジブルレイズ サラブレッドクラブラフィアン ・マイネルファンロン ・マイネルハニー サトミホースカンパニー ・サトノガーネット ・サトノアーサー 同一馬主の複数頭出しのケースがこれほど多岐に及ぶわけです。 ==中略== しかも阪神開催では牝馬限定重賞のマーメイドSが行われるわけですが、 エプソムCを勝てるのは1頭だけ。 それにも関わらず、なぜこれほどまでに出走馬を被せるのか。 牝馬限定のマーメイドSに出走させても良かったはずの牝馬を、なぜ4頭もエプソムCに回すのか。 出走馬選定、および鞍上を手配する時点で、独裁的な背景があることはおわかりいただけるのではないでしょうか。 エプソムC出走馬18頭の種牡馬構成も載せておきましょう。 ・ディープインパクト産駒 4頭 ・キングカメハメハ産駒  2頭 ・ハーツクライ産駒    3頭 ・ステイゴールド系    2頭 ・ハービンジャー産駒   0頭 ・その他         7頭 -----以上エプソムCの見解を引用----- 里見オーナーにとっての本丸は東京10Rサトノフウジンでだったわけですから、社台レースホース3頭出し×池江厩舎2頭出しのラインから浮上するのは◎ソーグリッタリングただ1頭。 人気の盲点とされたダイワキャグニーは【Revelation Directive】冒頭で触れた「キングカメハメハ産駒」に該当しており、かつ社台ファーム生産馬というキーワードに完全合致。 さらに、 「エプソムCにあって、マーメイドSにないもの」 「マーメイドSにあって、エプソムCにないもの」 この問いには実は「ふたつの答え」が用意されていたのです。 ひとつ目は先ほど申し上げた「外国人騎手」の存在。 オール日本人騎手の布陣であったマーメイドS、外国人騎手3名が顔を揃えたエプソムC。実に明快な示唆であったと思います。 そして二つ目が、キングカメハメハ産駒が出走馬0頭のマーメイドSに対して、エプソムCでは同産駒が2頭出しだったこと。 同じキングカメハメハ産駒でも大衆の心理としては、キャロットファーム×藤沢厩舎×C.ルメール騎手のラインで臨んだ「レイエンダ」に目が行くことは我々としても容易に想像できたことですが、ではなぜ、エプソムCにおいてレイエンダはブリンカーを着用していなかったのか。この答えを知る関係者はごく一部といえます。 その背景に7月開催のセレクトセール2020が絡んでいることまでは明言できますが、不特定多数の無料メンバー様の目に触れるこの場でより踏み込んだ話を差し上げるのは賢明とはいえません。 さらに一歩踏み込んだ情報を必要とされる無料メンバー様は、是非とも次回新規プライベートメンバー公募の機会をお待ちください。 最後に、どのレースにしても言えることですが、同着決着でない限り各レースの勝ち馬は原則1頭。 その前提があるなかで同一オーナー、同一厩舎が多頭出しを敢行するレースには必ずといっていいほど走らせる側の【思惑】が作用しています。 エプソムCの場合、外国人騎手が乗っているからという理由で彼らの騎乗馬を購入していた方も多かったはずですが、実際に騎手選定を行っているのは名義上のオーナーとは限りません。 これまでの義理を果たすために、そうした「権利」を行使するケースがあるということは今回言及したレース結果からも見て取れるわけで、次回【Revelation Directive】もそうした観点で読み進めて頂ければ幸いです。 今週のレポートは以上でございます。 JTTC日本競走馬育成評議会 執行役員 種牡馬部門 吉田晋哉 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ JTTC提供結果一覧<エプソムC週> ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ※プライベートランク格付け順で記載 [日]東京11R エプソムC プライベートランク:☆☆☆☆☆ <結果> 1着☆6 ダイワキャグニー 2着◎1 ソーグリッタリング 馬連:1万2210円的中[7点] [日]阪神11R マーメイドS プライベートランク:☆☆☆☆ <結果> 1着▲13 サマーセント 2着◎6 センテュリオ 3着△1 リュヌルージュ 3連複F:1万8460円的中[15点] [日]函館12R 洞爺湖特別 プライベートランク:☆☆☆☆ <結果> 1着○11 マイネルズイーガー 2着◎3 オーロラフラッシュ 馬単:2350円的中[8点]※馬単マルチ [土]東京10R 三浦特別 プライベートランク:☆☆☆ <結果> 1着無8 ポップシンガー 2着△11 カミノコ 馬単F:5万5360円不的中[12点] [土]阪神8R 3歳上1勝クラス プライベートランク:☆☆ <結果> 1着◎8 ペオース 2着無6 マイサンシャイン 3着▲15 リトルクレバー 馬単:5890円不的中[8点] [土]函館9R 3歳以上1勝クラス プライベートランク:☆☆ <結果> 1着無6 ユキノグローリー 2着☆3 シゲルタイタン 3着△1 シャルロッテミノル 3連複:2万2720円不的中[15点] [土]東京9R 八丈島特別 プライベートランク:☆☆ <結果> 1着無10 カラテ 2着○7 セイウンヴィーナス 3着無3 メイクアンシー 3連複F:25万8260円不的中[12点] [日]阪神8R 3歳以上1勝クラス プライベートランク:☆☆ <結果> 1着☆2 オールイズウェル 2着☆3 エンデュミオン 3着◎8 ダノンアレー 3連複:1100円的中[15点] [日]東京10R 芦ノ湖特別 プライベートランク:☆ <結果> 1着◎5 サトノフウジン 2着▲7 クロノメーター 馬単:1350円的中[10点]