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REVELATION REPORT

【結果総括】REVELATION REPORT「新潟記念週レポート」

皆様、お世話になっております。 JTTC種牡馬部門の執行役員を務めております吉田晋哉です。 「NO.1を目指すか、only oneを目指すか」 先日、このような議論がJTTC内で繰り広げられました。 「やるからには1番を目指すべき!テッペンをとらないと意味がない!」 「いやいや、唯一無二の存在になってこそ価値がある!」 三密を避けつつ行われた我々と関係者による祝勝会でのひとコマ、彼らは本当に元気です。 その話題は来年受験を控える高校生の息子をどういう高校に入れるべきか?というものでしたが・・・。 伝説のアーティスト・SMAPはこのように問いかけます。 「NO.1にならなくてもいい もともと特別なonly one」 それに対し、伝説のヒットマン・イチローはこう語りかけます。 「僕は、オンリーワンの方がいいなんて言っている甘い奴が大嫌い」 うーむ、どちらが上とも下とも言い難い切り札。白熱の一途を辿る議論。 ああ、今日もテッペン(業界用語で0時を回ること)超えるなぁ・・・そう思った私に去来した胸中をこっそりお伝えします。 「先週のノーザンファームはNO.1にもなったし、only oneにもなったんだけどなぁ」 残念ながら吉田の言葉は祝勝会では届かず。せっかくメンバー様との機会を作って頂いているのですから、その言葉の意味をこの場を借りてご説明したく思います。 舞台は土曜札幌11R・札幌2歳S。まずは我々が【REVELATION DIRECTIVE】で示していた見解をご覧ください。 -----札幌2歳S見解を引用----- 迎える今年2020年の「札幌2歳S」。 現2歳世代は、初年度産駒としては、モーリス、ドゥラメンテの仔が注目されているわけですが、「札幌2歳S」には、モーリス産駒も、ドゥラメンテ産駒も姿を見せません。 またディープインパクト産駒もキングカメハメハ産駒も不在。 2大注目新種牡馬だけでなく、昨夏揃って逝去した歴史的2大種牡馬の仔もいないのです。 「なぜ?」という皆様の疑問に対しては、 「出走登録の段階から調整されているため」とお答えしておきます。 札幌2歳Sにおけるポイントは、 ・新種牡馬は、リオンディーズ産駒1頭のみ。 ・ノーザンF生産馬は、ソダシ(金子真人HD)のみ。 ・社台系クラブ法人の所有馬はゼロ。 このあたりの視点は最低限持っておいてください。 -----以上札幌2歳Sの見解を引用----- 札幌2歳S週を前に、2歳リーディングを快走していたドゥラメンテ。それに続いていたエピファネイア、モーリス。 【絶対に勝たせたい】と意気込むはずの2歳重賞に、2歳リーディングNO.1-NO.3の社台ノーザングループ生産馬が不在・・・この重大な違和感に気付かれていましたでしょうか? エピファネイア産駒の本丸に、8月9日の札幌5Rを勝ち上がったオーソクレースという馬がいます。 C.ルメール騎手騎乗で上がり3F33秒9の脚を使ったノーザンファーム生産のあの馬がいない。 ここにonly oneを目指す社台ノーザングループの戦略が見え隠れします。 「スター不在」 喫緊の課題として浮かび上がるキーワード。 コントレイルは強い。デアリングタクトも強い。 日高産の馬が牡馬牝馬で無敗の二冠馬に輝く年など、それこそ天文学的な数字です。 手に掴みかけた凱旋門賞制覇を直前でスルリと逃したディープインパクト。少なくともあの瞬間、彼は日本中が応援する「スター」となりました。 現役NO.1の枠にとどまらず、比類なきonly oneを創り上げた。世界戦略を掲げるうえで、国民の期待を一身に受けるレベルのスターホース輩出が必要だったのです。 また、週中の【REVELATION DIRECTIVE】にて「政界の動き」と「競馬界の動き」をリンクさせながら動向に注目してみてください、とも記しました。 考えてみてください。 ディープインパクトが出走した凱旋門賞、日本から「クレイジー」と思える数の大応援団が駆けつけました。 世界中がコロナ禍にある現在の状況。もっとも壊滅的なダメージを受けているのはインバウンド産業です。国内の移動制限すら気を遣う最中、海外旅行などもってのほか。 国の基盤を成す事業の衰退はやがて、連鎖的に国の未来を破壊しかねない。 第一フェーズとして、凱旋門賞の馬券発売は実施の方向で決着しました。次なる「戦い」は翌年、凱旋門賞という晴れ舞台に日本馬を送り込むこと。それも、日本中が「行ってこい!全力で応援するぞ!」と大手を振って送り出せるような馬を。 見るも鮮やかな白毛馬。 ディープインパクトと同じ金子真人氏の所有馬。 いささかスケールが壮大すぎるかもしれませんが、ノーザンファームが有力馬を引っ込めてまで【only one】の状況を作り出したのは紛れもない事実。 こうした【違和感】をメンバー様には察知していただきたいのです。 =============== [土]札幌11R 札幌2歳S プライベートランク:☆☆☆☆ <評価順> ◎13 ソダシ ○8 ユーバーレーベン ▲7 コスモアシュラ ☆9 ウインルーア 注6 バスラットレオン △2 ヴェローチェオロ △14 アオイゴールド <結果> 1着◎13 ソダシ 2着○8 ユーバーレーベン 馬単:3920円的中[12点] ================= 出走馬中唯一のノーザンファーム生産馬◎ソダシから、マイネル系列馬を本線に据えたこのレース。 『SAPPORO』を舞台に行われる2歳重賞、主要生産牧場が【意図的な仕掛け】を行わないわけがありません。 そうした情報を事前に知り得る立場にあったからこそ、今回の馬単3920円的中はもたらされたのです。 また、札幌2歳S優勝馬◎ソダシと同じ勝負服が躍進した日曜札幌11R・丹頂S。 こちらも戦前、我々が示していた見解からご覧ください。 -----丹頂S見解を引用----- 「丹頂S」については、札幌2歳Sとの「共通点」と「相違点」を比較すると、その裏側にある人や組織の「貸し借り」が見えてくると思います。 日曜日のメインですので、このレースを迎える頃には、「札幌の厩舎リーディング」も固まっている頃でしょう。 最終週を迎える前の段階での上位トップ5は、 1位 矢作芳人厩舎(5勝) 2位 池添兼雄厩舎(4勝) 3位 安田隆行厩舎(4勝) 4位 荻原清厩舎(4勝) 5位 藤沢和雄厩舎(3勝) このようになっておりますが、10名の調教師が3勝をあげているという状況下。 6位にいる須貝尚介厩舎は、札幌開催最終週に一挙10頭を出走させ、その中には、札幌2歳Sに厩舎2頭出しとなるヴェローチェオロとソダシも含まれます。 「丹頂S」には、ゴールドシップの全弟にあたるゴールドフラッグも出走メンバーに添えているのは須貝厩舎の粋な計らい。 また、札幌2歳Sの複数頭出しとは一転し、「岡田一族」が送り込むのはナイママ1頭のみ。 一方で社台グループが「札幌2歳S」では1頭の出走に踏みとどまっているのに対し、「丹頂S」では、下記の通り7頭という構成です。 ・ウラヌスチャーム ・タイセイトレイル ・バラックパリンカ ・バレリオ ・ヒシゲッコウ ・ボスジラ ・ルミナスウォリアー 札幌2歳Sに唯一出走するノーザンファーム生産馬ソダシを所有するのは、金子真人HDですが、「丹頂S」にはディープインパクト産駒のボスジラを擁立し、ここにも金子氏の所有馬が顔を覗かせています。 このボスジラは今週土日の札幌メインレースに出走する唯一のディープインパクト産駒です。 -----以上丹頂Sの見解を引用----- 母父ディープインパクトのブラヴァスが勝利を挙げる20分前。 「only one」という特殊な状況をお膳立てされたうえで、父ディープインパクトの◎ボスジラがメインを飾っていたのです。 札幌2歳Sと異なり、このレースではノーザンファーム生産馬が5頭出し。厩舎に目を向けると必ず何らかの【意図】がある矢作厩舎の複数頭出しが行われていた現実。 「金子真人HDの土日メインジャックのため、ボスジラを擁立する」 その引き立て役として、矢作厩舎が選ばれたからに他ありません。何度もお伝えしている【貸し借り】があったことは自明。こうした義理を欠かさないからこそ矢作厩舎は一流厩舎として長らくJRAの一流トレーナーとして君臨し続けるのでしょう。 無論、今回のような【約束された結果】を得るためにはひとりの力だけではどうにもなりません。 ボスジラの前走、2着に敗れた当時の騎手のラインナップをご覧ください。 ・武豊 ・C.ルメール ・横山典弘 ・吉田隼人 ・田辺裕信 レースを支配しうる【強大なパワー】をバックボーンに持つ武豊、C.ルメール騎手をはじめ、ズラリと並ぶトップジョッキーたち。いかにボスジラが強い馬であっても包囲網をかいくぐることは容易ではありません。 包囲網をかいくぐるには何をすべきか? 「包囲網」そのものが実行できない状況を作ればいいのです。 コロンブスの卵的発想ですが、NO.1の立ち位置にある社台ノーザングループにはそれができます。 圧倒的な競走馬の母数とそれにかかわる【人間】の数。そして【貸し借り】をしつつ築かれる強大な信頼関係・・・彼らにかかればレースをコントロールすることなど朝飯前。 C.ルメールも不在。 武豊も不在。 栄えある「実行者」に選ばれた横山武史騎手はこの夏実績を積み重ねた若武者。 念には念をとばかりに、その【保険】として彼の父親である横山典弘騎手を先導役にあてがいました。 改めてレースをご覧ください、勝負どころの3-4コーナーまで父親の後ろをついて回っている光景がそこにはあったわけです。 ================= [日]札幌11R 丹頂S プライベートランク:☆☆☆☆ <評価順> ◎5 ボスジラ ○6 タイセイトレイル ▲3 バレリオ ☆12 ウラヌスチャーム 注2 ハナズレジェンド <結果> 1着◎5 ボスジラ 2着▲3 バレリオ 馬単:2150円的中[8点] ================= 相手2番手評価とした▲バレリオはサンデーレーシング所属のクラブ馬。 同じ系列のGIレーシング所属・ウラヌスチャームを先導役に使った以上、会員の溜飲が下がる結果がほしい。 この馬もまた、社台ノーザングループにとって巧みにコントロールされた1頭でした。選択した券種とは無関係ですが、矢作厩舎のノーザンファーム生産馬・タイセイトレイルが3着に入ったことも補足しておきます。 「NO.1にもonly oneにもなれる存在である」 【彼ら】が残したメッセージを事前に受け取れたのが我々だった。ただそれだけのことです。 さて、長きにわたった夏競馬が終わり今週から舞台は中山・中京へと移行。 例年と異なる開催形態となるわけですが、中京競馬場もまた【ある陣営】にとって重要な意味を持つ場所です。 ・ブラヴァス ・ワグネリアン ・アドマイヤミヤビ ・クラリティスカイ ・シングウィズジョイ ・ブラックスピネル ・ダンビュライト ・アメリカズカップ 2歳夏、中京デビューで重賞を制した主なラインナップ。 関西に拠点を構える彼らにとって、この開催は2カ月待ちわびたもの。多少の【わがまま】を聞いてもらうため、この間の期間にしっかり貸し借りを作っておいたことは言及するまでもないでしょう。 ビジネスにおいて、何かを得るために何かを差し出すのは当たり前の話。GIVE=与える行為をすることでTAKE=受け取ることができます。これは人間関係を築くうえでも非常に重要なことです。 思えばこの夏、いろいろな出来事がありました。 セレクトセールにはじまり、矢作厩舎と堀厩舎の共存関係構築、広尾レースの躍進、そして夏の最後の重賞競走を見事◎ブラヴァスで締め括ってみせた友道厩舎は、クイーンSの1・2着馬を輩出しているほか、その◎ブラヴァスが七夕賞2着→新潟記念1着としたことで予告通りサマー2000シリーズ王者に輝くMVP級の結果を残すに至っています。 ご承知の通り、競馬はすべてがつながっています。レースも馬も人の動きも【点】で捉えようとせず【線】で捉えることが肝要です。 レースを使う以上、必ず陣営には利害であり思惑が作用します。 次回の【Revelation Directive】もそうした観点で読み進めて頂ければ幸いです。 今週のレポートは以上でございます。 JTTC日本競走馬育成評議会 執行役員 種牡馬部門 吉田晋哉