REVELATION REPORT
【結果総括】REVELATION REPORT「セントライト記念週レポート」
掲載日:2020年9月21日
皆様、お世話になっております。
JTTC種牡馬部門の執行役員を務めております吉田晋哉です。
この夏のシーズンでは、サマー2000シリーズを制したブラヴァスほか、クイーンS優勝馬レッドアネモス、同レース2着のビーチサンバを輩出するなど、今春のGI戦線とは打って変わって圧倒的な存在感を示したといえる「友道厩舎」。
この3日間開催を通じては
9月19日(土)
中京11R ◎トリコロールブルー(4人気、1着)
9月20日(日)
中京9R ◎フライライクバード(1人気、2着)
上記2頭の管理馬が、ここJTTCにおける提供レースで的中馬券の要たる結果を残すに至っています。
なかでも、土曜日・中京11R「ケフェウスS」については、先日の【REVELATION DIRECTIVE】においてセントライト記念とともに取り上げた曰く付きの一戦でございました。
早速ではございますが、我々が【REVELATION DIRECTIVE】で示した一部見解をご覧ください。
-----ケフェウスS見解を引用-----
全体像としては、まずは<クラブ馬群>と<個人馬主群>という視点でご覧ください。
<クラブ馬群>
グローブシアター(キャロットファーム)
ワイプティアーズ(吉田照哉/社台グループオーナーズ)
アトミックフォース(吉田千津/レックス)
ヒンドゥタイムズ(シルクレーシング)
ハナズレジェンド(広尾レース)
マイネルフラップ(サラブレッドクラブ・ラフィアン)
ラストドラフト(社台レースホース)
トリコロールブルー(シルクレーシング)
サラス(吉田照哉/社台グループオーナーズ)
<個人馬主群>
ノーブルマーズ(吉木伸彦)
ランスオブプラーナ(五影慶則)
ミスディレクション(ノースヒルズ)
ポポカテペトル(金子真人ホールディングス)
サトノクロニクル(サトミホースカンパニー)
ミスマンマミーア(吉田勝利)
フランツ(近藤英子)
出走馬16頭中9頭が、<クラブ法人群>という構成。
<個人馬主群>には、
金子真人ホールディングス
サトミホースカンパニー
近藤英子氏
という社台グループ懇意のオーナーの所有馬も揃えられています。
賞金順で出走メンバーが決まる重賞に出走させるためには、獲得賞金が問われるわけですので、1着賞金2400万円を「どの馬に稼がせる」という思惑が焦点。
ともすれば、レース名だけではない【矛盾】という違和感を抱いている方は、どれだけいらっしゃるでしょうか。
≪同一の馬主名義での複数頭出し≫
シルクレーシング
・ヒンドゥタイムズ
・トリコロールブルー
吉田照哉/社台グループオーナーズ
・ワイプティアーズ
・サラス
≪同一厩舎の複数頭出し≫
友道康夫厩舎
・トリコロールブルー
・ポポカテペトル
このような複数頭出しが仕込まれているわけです。
何かを「勝たせる」ために、レース前から「犠牲になること」を前提に出走する政治的な馬が複数いるということです。
それこそが、ケフェウスSの核心部分です。
-----以上ケフェウスS見解を引用-----
これまでも出走メンバーの構成を「種牡馬別」「ローテーション別」「厩舎別」「生産牧場別」といった具合に要素分解する機会がございましたが、今回のケフェウスSでは【馬主別】にカテゴライズしているというのが一点。
また、敢えて<クラブ馬群>と<個人馬主群>に分類していたわけですが、その後に記した【複数頭出し】というキーワードにそれぞれの出走馬を当てはめていただければ、
【シルクレーシングの2頭出し】
【友道厩舎の2頭出し】
上記条件に唯一合致する◎トリコロールブルーに主眼が置かれたレースであり、それこそが「ケフェウスS」の核心部分と同義でございました。
同じくシルクレーシングの所有馬にあたるヒンドゥタイムズは1人気たる支持もさることながら、ライバル勢にとっては格好のマーク対象たるポジショニングでレースを進めておりましたが、向正面でペースが緩んだところをすかさず反応してみせたのが友道厩舎のポポカテペトルであり岩田康誠騎手。
16頭立て16着という着順からも玉砕覚悟のレース内容であったことは明らかですが、そのポポカテペトルを尻目に4角手前まで後方でしっかり脚をため、最後の直線勝負に徹していたのが武豊騎手が騎乗する◎トリコロールブルー。
武騎手の手腕もさることながら、1着賞金2400万円の収得賞金加算に向けてピンポイントで仕上げてみせた「友道厩舎」の厩舎力を再認識するに足るレースといえたのではないでしょうか。
固有名詞としても矢作厩舎、堀厩舎に並び登場機会の多い友道厩舎の管理馬とあって、◎トリコロールブルーの単勝(払戻金780円)は勝ち方も含めて痛快でしたとする無料メンバー様から多数感謝の声を頂戴するに至ったわけですが、プライベートメンバー様には【3連複3万2740円】と文字通り万馬券をもたらした一戦。
いずれにしましても、的中馬券を手にしていただいた皆様、誠におめでとうございました。
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[土]中京11R ケフェウスS
プライベートランク:☆☆☆☆☆
<評価順>
◎13 トリコロールブルー
○16 フランツ
▲14 ミスマンマミーア
☆15 サラス
注2 ワイプティアーズ
△6 ヒンドゥタイムズ
△12 ラストドラフト
△9 サトノクロニクル
△10 ハナズレジェンド
<結果>
1着◎13 トリコロールブルー
2着○16 フランツ
3着注2 ワイプティアーズ
3連複F:3万2740円的中[18点]
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その上で、本日行われた菊花賞トライアル「セントライト記念」の模様についても振り返りたいと思います。
こちらも、【REVELATION DIRECTIVE】で示しておりました一部見解からご一読ください。
-----セントライト記念見解を引用-----
続いて、月曜日に行われる菊花賞トライアルのセントライト記念。
こちらもまずはわかりやすいように、<クラブ馬群>と<個人馬主群>にわけましょう。
<クラブ馬群>
フィリオアレグロ(サンデーレーシング)
マイネルソラス(サラブレッドクラブ・ラフィアン)
ラインハイト(キャロットファーム)
<個人馬主群>
ヴァルコス(佐々木主浩)
ガロアクリーク(水上行雄)
ココロノトウダイ(星野壽市)
サトノフラッグ(サトミホースカンパニー)
サペラヴィ(伊達敏明)
ダノンファスト(ダノックス)
バビット(宮田直也)
ピースディオン(久米田正平)
リスペクト(石川達絵)
こちらは出走馬12頭に対し、クラブ馬は3頭のみ。
フルゲートは18頭ですので、出走しようと思えばできたはずの馬もいたわけですが、3着馬までに菊花賞の優先出走権が与えられるという一戦ながら、「出ない馬」が続出したのです。
間接的な圧力によって呼んだ自粛の動き。
-----以上セントライト記念見解を引用-----
冒頭のケフェウスSと同じく【馬主別】にカテゴライズしていたとはいえ、セントライト記念はフルゲートの18頭ではなく12頭立てです。
間接的な圧力によって呼んだ「自粛の動き」の意味するところ、その当事者となる関係者サイドが意図する出走馬を擁立していたことは容易にご想像いただけたと思いますが、最後まで読了いただいたメンバー様であれば◎サトノフラッグを前提とした描写であることが十中八九読み解けたはずです。
-----セントライト記念見解を引用-----
弥生賞を優勝した後、国枝栄厩舎が管理するサトノフラッグの騎乗を巡って、
キーファーズのマイラプソディか。
サトミホースカンパニーのサトノフラッグか。
武豊騎手の選択が注目を集めました。
同じエージェントが担当するC.ルメール騎手が皐月賞でサトノフラッグに騎乗し、武豊騎手はマイラプソディに騎乗することで話をつけて、迎えたダービーでは、
サトノフラッグ(武豊騎手)
マイラプソディ(横山典弘騎手)
ワーケア(C.ルメール騎手)
このような配置転換が行われました。
そして凱旋門賞の1週前となる次週の神戸新聞杯では、マイラプソディは再び武豊騎手が騎乗という流れで、セントライト記念に臨むサトノフラッグには、C.ルメール騎手や武豊騎手を起用する選択肢もありながら、そうはならなかったのです。
なぜなのか?
今回、サトノフラッグに関しては、極端な結論が下されているということをお伝えし、今週の「REVELATION DIRECTIVE」を締めたいと思います。
-----以上セントライト記念見解を引用-----
菊花賞トライアルにも関わらずC.ルメール騎手が非社台系の生産馬リスペクトに騎乗している点に違和感を覚えたというメンバー様も多数いらっしゃったと思いますが、社台ノーザングループの総意は◎サトノフラッグにあると結論付けた今回の提供内容が全てであります。
また、【REVELATION DIRECTIVE】文末に記しておりました川田騎手(ガロアクリーク)、並びにM.デムーロ騎手(フィリオアレグロ)の騎乗内容ですが、本日のレース映像を通じて、皆様はどのような感想をお持ちでしょうか。
前者の川田騎手は【個人馬主群】に分類されるガロアクリークに、後者のM.デムーロ騎手は【クラブ馬群】に分類されるフィリオアレグロに。
こうした「棲み分け」を前提にご覧いただいた方であれば、百歩譲ってもM.デムーロ騎手がサトノフラッグに対して圧力をかけることなど許されないシチュエーションであったことをお分かりいただけたはず。
一方の川田騎手が騎乗したガロアクリークですが、そんなことはお構いなしといわんばかりにバビットの直後にとりつくと3角から4角の勝負所においては先に手が動いたバビットの内田博騎手のアクションとは対照的に「ガッチリ手綱を押さえたまま」。
そうです。
川田騎手が注視していたのは◎サトノフラッグが動き出すタイミングです。
実際、弥生賞さながらの4角捲りを披露してみせたサトノブラッグですが、川田騎手がゴーサインを送ったのはそのサトノフラッグと馬体を合わせた直後。
ココロノトウダイが早々と脚を失くしたことは結果的に逃げるバビットにとって追い風になったわけですが、ともに『3連複軸2頭ながし』の軸馬たる役割を担った◎サトノフラッグ、○ガロアクリークの両馬が揃って馬券圏内を確保したこの度の提供結果は、最終選考指定競走たる意味合いを実感いただくに足るレース内容であったと捉えております。
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[月]中山11R セントライト記念
プライベートランク:☆☆☆☆☆
<評価順>
◎9 サトノフラッグ
○7 ガロアクリーク
▲6 バビット
☆10 ヴァルコス
注11 ココロノトウダイ
<結果>
1着▲6 バビット
2着◎9 サトノフラッグ
3着○7 ガロアクリーク
3連複:2000円的中[3点]
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さて、今週末は牡馬三冠の大記録が懸かるコントレイルの秋緒戦「神戸新聞杯」が行われます。
日本ダービー後は鳥取県に拠点を置く大山ヒルズを経て、矢作厩舎にて予定通りの調整メニューが施されておりますが、まずは無事に秋緒戦を終えてほしいというのが陣営サイドの本音であり、菊花賞当日までは相当な重圧がかかることは火を見るよりも明らかです。
また、当初の予定通りであれば、本日のセントライト記念を秋緒戦に見据えていたダービー3着馬ヴェルトライゼンデ。
先週の木曜日に熱発した影響で追い切りを自重し、今週末の神戸新聞杯にスライドした経緯を有します。
そして、近2年連続で神戸新聞杯3着内の結果を残す友道厩舎からは、武豊騎手との再コンビ結成で注目を集めるマイラプソディが出走予定。
当該レースは、今週末の【REVELATION DIRECTIVE】においても言及する機会に恵まれるか否か、現時点では明言を避けたいところですが、問題なく掲載許可が得られた暁には、種牡馬部門の長として神戸新聞杯を紐解く「キーワード」をご紹介したいと考えております。
今週のレポートは以上でございます。
JTTC日本競走馬育成評議会
執行役員 種牡馬部門
吉田晋哉