REVELATION REPORT
【結果総括】REVELATION REPORT[マイルCS週:2020/11/21-23号]
掲載日:2020年11月23日
平素は格段のご厚情を賜り、厚くお礼申しあげます。
JTTC内部監査室長を務める宇野篤でございます。
エリザベス女王杯週における結果統括とは打って変わって、結果責任という意味において、この度のマイルCSでみせたM.デムーロ騎手の尻もち騎乗を予見する術はなかったのかと、多方面からサリオスの敗因を検証している最中でございます。
とりわけ、プライベートメンバー様におかれましては、エリザベス女王杯と同じ勝負服の2頭によるワンツーですから、的中出来て当たり前のレースに映ったことと思います。
無論、我々もグランアレグリアであり、インディチャンプを上位評価馬に指名しており、結果論としてこの2頭で決まった事実に対して、その事実を歪めてまでサリオスが勝っていたする後味の悪い見解を述べるつもりはございません。
周知の通り、レースはやり直しがきかぬ一発勝負のなか行われるわけですから、サリオスが踏み遅れることを予見できなかった我々の至らなさが露呈した結果であり、ご期待いただいた皆様にご提示していたサリオス優勝の決着シーンを現実の光景としてお届けできなかった責任を重く受け止めています。
万が一、サリオスが発馬を決めていたら・・・・。
こうしたご意見は、レース直後より多数お寄せいただいた次第ですが、レースを終えた今、他でもない我々の立場から仮定のシチュエーションをもとに実際のレース結果とは異なる見解を述べることは、恥の上塗り以外の何でもないと思っておりますので、潔くこの度の敗戦を受け入れ、皆様のご期待にお応えできなかったことを心よりお詫び申し上げます。
[日]阪神11R:マイルCS
プライベートランク:☆☆☆☆☆
<評価順>
◎17 サリオス
○8 インディチャンプ
▲4 グランアレグリア
☆6 ラウダシオン
注2 レシステンシア
注7 アドマイヤマーズ
△16 ヴァンドギャルド
△15 ペルシアンナイト
<結果>
1着▲グランアレグリア
2着○インディチャンプ
3着注アドマイヤマーズ
3連単:4430円不的中[18点]
本来であれば、エリザベス女王杯に続きGI2連勝という波にのり、三度東京開催の「ジャパンカップ」で大きな責務を果たすべきシチュエーションではございましたが、今週末の「ジャパンカップ」は兼ねてから大目標と銘打って参りました希少な一戦です。
とかく、その布石はこれまでのプライベート情報を通じても発信してきた次第であり、先週のプライベートギフト対象レースでもあった南武特別(東京芝2400m)においては、1着○ブラックマジック(3人気)、2着◎ハーツイストワール(2人気)、3着△ルタンブル(5人気)と、結果的に1人気で8着と敗れたエンデュミオンの距離適正を逆手にとった提供がなされておりました。
周知のとおり、プライベートギフトは提供買い目を除き、無料メンバー様にもお届けしている内容ですから、詳細はこの場では割愛させていただきますが、アーモンドアイと同じ美浦・国枝厩舎の管理馬にあたるハーツイストワールが東京芝2400mを走破したことによるエビデンスに幾らかの価値があることは、これまでの内容を通じてご理解いただける所だと思っております。
また、プライベートランクの格という意味合いでは、この南武特別の数段上の秘匿性を持って提供がなされた、2歳1勝クラスの一戦「赤松賞」を制してみせた◎アカイトリノムスメ。
牝馬三冠を達成した母アパパネと同じく、こちらも「国枝厩舎」の管理馬であったわけですが、ジャパンカップが行われる直前の東京開催を通じて、事実上2頭の◎本命馬を国枝厩舎から抜擢したことになりますが、こうした伏線もまた、先週の「Revelation Directive」をご覧いただいたメンバー様であれば、思うところがあるのではないかと推察しています。
特に、赤松賞については、マイルCSと並び、吉田が指定レースとして取り上げていた一戦であり、ここ数週間に渡って言及してきた「2歳戦」。
次月に控える阪神JF、朝日杯FS、そしてホープフルSを見据えた布石であることは、この場において明言する必要もないと思いますが、実際問題「Revelation Directive」でいかなる示唆をこの赤松賞において行っていたのか下記抜粋内容をご覧ください。
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次週のジャパンCを見据えながら、という今週の競馬開催にはなりますが、ジャパンCの話と遜色ないほどの路線として、12月の「2歳GI」に向けてのお話もしておかなければなりません。
レースの格は、2歳牝馬限定1勝クラスの特別戦となりますが、日曜日に行われる「赤松賞」は必ずレースをご覧ください。
リアルタイムで見ることができない場合には、レースが終わった後にJRAのホームページで公開されるレース映像を見ていただきたく思います。
赤松賞の出走馬は全部で10頭。
<中略>
・10頭中6頭が社台系生産馬というメンバー構成。
・社台系クラブ法人の馬は出走しない。
・これまでの赤松賞には一度も管理馬を出走させたことのない友道厩舎と音無厩舎が管理馬を出走させる。
このあたりの事実を念頭に置いた上で、注目ください。
この時期に行われる2歳牝馬限定のマイルを舞台とする1勝クラスとしては、関東では「赤松賞」、関西では「白菊賞」という番組が用意されています。
それぞれの勝ち馬が阪神JFに向かう年もよくあるわけですが、関東馬は関東の「赤松賞」へ、関西馬は「白菊賞」に向かうというのが無理のない番組選定としての基本路線です。
「赤松賞」は、1993年より24度行われてきたレースですが、関東馬19勝、関西馬5勝という成績からもわかるとおり、関東馬が優位。
特に赤松賞は国枝栄厩舎が2歳牝馬のローテーションを組む上では重宝しているレースであり、2009年に赤松賞を制した後に阪神JFを優勝し、翌年牝馬三冠を達成した馬がアパパネです。
2000年 1着タカラサイレンス
2008年 1着ダノンベルベール
2009年 1着アパパネ
2010年 3着サイレントソニック
2019年 2着シンハリング
上記は国枝栄厩舎の赤松賞における好走成績です。
今年はアパパネの仔であり、ディープインパクト産駒のアカイトリノムスメを出走させるわけですが、アパパネが産んだ仔の中では初めての牝馬であり、ここに使うのは母のローテーションを踏襲する意図があるため。
国枝厩舎にとっては至極当然のことです。
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改めてご覧いただければ、一貫して国枝厩舎にフォーカスした記述であることが読み取れると思いますし、無料メンバー様を含め、単勝310円とさしてインパクトはなかったかもしれませんが、それでも吉田の後押しを受けて単勝馬券を自前で購入されたメンバー様には、痛快なレース内容に映ったことと思います。
奇しくも、以前この場でご紹介しました百日草特別の優勝馬◎エフフォーリアと瓜二つといえる直線シーンでもあったわけですが、それもそのはず、いずれも鞍上は横山武騎手を配してのものであり、彼の評価が週を重ねるごとに着実に上昇している様を、競馬の最前線で実感している次第です。
今週末のジャパンカップを迎えるにあたり、皆様に改めて思い返していただきたい点は、下記3つの前提事項です。
※前提1※
アーモンドアイ陣営が今年念頭に掲げていた歴代GI勝利記録の更新は、先日の天皇賞秋で達成。
※前提2※
デアリングタクト陣営は当初秋華賞を前に、ローズSを使うプランも浮上していたなか、前哨戦をスキップし本番直行ローテを選択。
※前提3※
コントレイル陣営は牡馬三冠に臨むにあたって、コントレイルフォーメーションに通じるチーム戦を展開。
現段階において、上位人気を形成するであろう3頭の中から本命馬を選択するといったことを明言する立場にありませんが、デアリングタクトとコントレイルに通じる“無敗”という戦歴は裏を返せば、これまで一度も敗因を分析する機会には恵まれなかったわけですから、その辺りは敗戦歴を持つアーモンドアイと異色混同に扱うことはできないという点です。
当たり前のことすぎて、何をいまさらと思われる方も多々いらっしゃるでしょうが、今週末我々がご提示するジャパンカップの最終結論であり、推奨見解をご覧いただく上で、とても大切なことだと思いますので、繰り返しになりますが、一週前段階で国枝厩舎にフォーカスした真意も含めてレース当日を楽しみにお待ちいただければ嬉しく思います。
JTTC-日本競走馬育成評議会
内部監査室長
宇野篤